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ついに潜入! 北海道のたれ屋 (株)ソラチ・芦別工場を見学☆

ついに念願かなう!空知(総合振興局)が ソラチを取材!

それは、電話でのお願いから始まりました。
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ソラチさん:「はい。ソラチです。」
そらち・デ・ビュー:「こちらも空知(総合振興局)です(笑)。私たちは日々、空知の魅力の発信をしていますが、ずっとソラチさんと連携できたらなぁと思っていました。芦別工場の見学をさせてもらえませんか?」
ソラチ
さん:「はい、いいですよ。」

…と工場長さんにも快諾いただき、11月上旬に芦別市の(株)ソラチ本社・工場を訪問しました。

ここが北海道のたれ屋の聖地☆

芦別市の市街地の西側のはずれ、背後に空知川が流れる卸売市場の近くに、(株)ソラチの本社と工場があります。
車から降りて工場の前に立っただけで、たれの甘辛い香りがふわっと漂い、これだけでごはん1杯食べられそう!?です。外には、たれの原材料となる砂糖などが山積みになっていたり、出荷や納品のトラックも停まっていたり…。あのソラチのたれが、この自然豊かな芦別から全国へ!という旅の出発のワクワク感にも似たハイテンションで工場見学スタートです。
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北海道のたれ屋のルーツとは

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まず、迎えてくださった山田工場長さんにお話を伺いました。

―もともとはたれ屋じゃなかったそうですね。
はい。昭和26年創業となっていますが、創業当時は「空知ラムネ・空知農産化学研究所」という社名でした。もともとはラムネ屋さんが起源だったんです。
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※出典:(株)ソラチ 会社概要パンフレット
―ラムネ屋さんからたれづくりへと変わった背景は?
当時、中国大陸(旧満州)から、自作のたれでジンギスカンを食べる習慣を持ち帰り、北海道・空知でもそうした文化が広まっていました。
一方、当社の創業者は北大大学院で農産物加工の共同研究をしていました。そのうち1人がジンギスカンのたれを商品化に成功しました。現在のベル食品さんのルーツです。
当社はそれよりも後発となりましたが、「農産化学研究所」というくらいですから、玉ねぎやりんごなど
地元産の新鮮な野菜や果物の加工を行っていました。
そこで、余った野菜などをたれに入れて熟成させたら、甘くてコクがあって深みのあるたれに仕上がりました。
60年以上前、それがソラチのたれ屋としての始まりです。

 
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―今年で50周年を迎えたという豚丼のたれを作るきっかけは何かあったのでしょうか。豚丼というと十勝というイメージがあるのですが。
たれ屋としてスタートして間もなくの話ですが、十勝に豚丼というソウルフードがあるというということを知り、当時、十勝のお店や家庭までリサーチに出かけて研究を重ね、豚丼のたれを開発しました。一般的にたれには水を使うと思いますが、当社の豚丼のたれには水は一切使っていません。
―野菜の水分のみですか?
野菜も入っていません。醤油、砂糖、みりんと酒だけです。だから味が濃くて、腐敗する可能性も極めて低いんです。
この「十勝豚丼のたれ」のおかげで、たれ全体の売上は年間18億円くらいあり、すべてこの芦別工場で作っています。原材料の上白糖だけで年間1億円以上購入しています。

この芦別工場ではソラチの全商品が作られていて、その数は800アイテムにもなるそうです。工場のラインも、その日に製造する商品に合わせて毎日セッティングや洗浄を繰り返しているとのことで、工場長さんでも「今日は何を作っているのか…わけわからなくなる(汗)」とおっしゃっていました。

さて、山田工場長のお話は、また後半で紹介することにして、たれの香りの誘惑?!がたまりませんので、製造工程の見学に行ってみましょう!

製造工程を見学 ~ 芦別工場から全国へ ~

山田工場長のご案内で、たれの製造工程を見学させていただきました。
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まず目に付いたのは、山積みになった原材料。砂糖だけでも、ブドウ糖、上白糖、グラニュー糖など様々です。ほかにも醤油味噌日本酒ワインなども。
多くの種類のたれを製造しているので、製品によって同じ原材料でも使い分けているんですね。
そして、この多くの原材料を、たれの種類ごとに正確な分量で混ぜ合わせるため、あらかじめ計量をして仕分けられ、ボックスごとに整理されています。
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次に、計量した原材料を大きなタンクに入れて、時間をかけて混ぜ合わせます。
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タンクに入れる作業は、うまく混ざるように人の手をかけて入れているそうです。その後、時間をかけてちゃんと混ざっているか何度も確認するそうです。
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たれの原材料が混ざったら、品質を保つため、フィルターやマグネットを通し、異物がないかチェックします。そして異物があれば、この部分で除去されます。
 
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次に、保存性を高めるために、この装置で殺菌します。たれがパイプの中をくねくね通る間に熱湯により加熱殺菌されます。
 
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一方、たれが注がれる瓶も並行して準備されます。
まず瓶をキレイに洗浄したあと、熱々のたれが注がれても割れないように、蒸気で瓶を加熱します。
瓶にとっては、体をキレイに洗った後、スチームサウナで整う?…感じでしょうか。
なんだか気持ちよさそう?!に見えます。(※個人の感想です。)

 
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そして、いよいよたれが瓶に充填されます。
たれは同時に10本以上充填されて、キャップは1本ずつ取り付けられます。
この段階では、たれも瓶も熱くなったままです。

 
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出来上がった熱々のたれをシャワーの水でクールダウンしてから、風で乾かします。
 
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ラベルを貼り付けて賞味期限を印字したら、豚丼のたれ完成です!
そして箱詰めの際は、ぼうし(キャップ)に傷がないか、着物(ラベル)をきちんと着ているか、名前(日付)が1本1本ついているかなどを入念にチェックされます。
そして、全国のソラチのたれファンの元に旅立っていきます。

製造現場を見学してみて、衛生管理はもちろんですが、たれの中身だけでなく瓶にも温度管理をとてもきめ細かくしていることに驚きました。また、夏には工場内の温度が40℃ほどにまで上がり、水を使っているので湿度も70%を超え、とても過酷な環境だそうです。

いつも料理のお供に活用している美味しいソラチのたれが、いろんな工程を経てどんどん出来上がっていく様子を見ていると、なんだかいとおしくなってきました。
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空知で作るたれへのこだわり、そして想い

(前半に引き続き、山田工場長さんに伺ったお話の続きです。)
―先日、しゃぶしゃぶのたれの活用法についてTwitterで盛り上がりましたよね。そらち・デ・ビューのTwitterでも拡散させていただきましたが、1本あればいろんな料理に応用できるのというのもいいですよね。
そうなんです。首都圏在住の方が、「しゃぶしゃぶのシメに当社のたれを使ってラーメンをつくったら美味しい」とつぶやいてくれたんです。一般的にはしゃぶしゃぶのシメはうどんだと思うんですが、ラーメンというのが意外性があったのかもしれません。すごい反響でした。
当社の公式ホームページやフェイスブックページでもアレンジレシピを紹介していますので、ぜひご活用ください!

▶ソラチのレシピ
 http://www.sorachi.ne.jp/sorachi_recipe/
▶Facebookページ
 https://www.facebook.com/sorachisorachisorachi

 
―そらち・デ・ビューでも「空知」の知名度アップに向けて、空知の魅力発信に様々取り組んでいますが、北海道のたれ屋として半世紀以上親しまれているソラチさんともぜひ連携させてください。
当社も、道内ではたれ屋として認知度も高いと思いますが、全国的にはまだまだだと思っています。ですので、Twitterでの拡散のように、道外の方に当社の製品をご愛顧いただくというのはありがたいですし、そういうお客様は大事にしていきたいと思います。
―商品は道外でも、アンテナショップやスーパーなどに並んでいますよね。
しゃぶしゃぶのたれは一部地域となりますが、豚丼のたれは、南は沖縄まで全国で販売しています。豚丼のたれシリーズは一番売れ筋のカテゴリーなので、みそ味やピリ辛味、さらには直営豚丼専門店「いっぴん」監修の商品などラインナップも充実しています。
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―パンフレットの表紙にも「私たちはソラチが大好きです」と書かれていますが、地元・空知への愛が感じられますね。
北海道・空知の地で、社名も「ソラチ」でやらせてもらっているので、ジンギスカンをはじめ、ラムしゃぶ、豚丼など、北海道や空知の美味しい料理を全国に広めたいと思っています。当社のたれを使って、自宅でお手軽・簡単に北海道の味を楽しんでいただければ幸いです。
また、例えば金適酒造(新十津川町)の酒粕を使った商品とか、砂川の玉ねぎを使ったポークチャップソースとか、できるだけ空知地域の原材料を使って商品を作ることも心がけています。
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―(そして見つけちゃいました)サッポロビールのSORACHI 1984とコラボした商品もありますね!
新商品を作るチームの打合せで、「せっかくSORACHIという名前がついているんだから、誰か(相談に)行ってこいや!」という話になって、担当者をサッポロビールさんに行かせました(笑)。ただ、たれの原料用のためのビールというのはないので、実際に市販されている缶ビールを使って、「ジンギスカンのたれ」と「スペアリブソース」を作っているんです。また、同社主催のイベントなどにも活用いただいたりなど連携もしてくださっています。

 
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※出典:(株)ソラチ 会社概要パンフレット
 
―そらち・デ・ビューの関連イベントでも、サッポロビールさんには連携・協力いただいているほか、SORACHI 1984もwebで紹介させていただいているので、「空知」つながりでぜひ連携の輪を広げさせてください!
そうおっしゃっていただけると、ありがたいです。大手企業の出来ないことをやっていかないと、私たちは生き残っていけないんです。
「オホーツクの塩」が出始めた頃、まだ大手では使えなかったでしょうけど、それを使って「塩だれ」を作ったのも当社が一番最初です。
小ロット生産だからこそ、それができるんです。
―小ロットのお話もいただきましたが、OEM生産もされているんですね。
はい。たれの味や色、規格などお客様の希望するたれを150㎏からの小ロットで製造させていただきます。最短で約1か月でオリジナルのたれが出来上がります。人の手をかけ原料を混ぜるなど、きめ細かい当社の規模だからできることだと思います。

これからブレイクするであろう「地域のいいもの」(=地域資源)を活用して、たれを通じて地域の魅力を発信することは、ソラチさんにしかできないことだと強く感じました。

あ、これって、そらち・デ・ビューの取組とも共通点があります!
いずれ、ソラチさんとコラボして、こんなたれを作りたい!!
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念願かなったソラチのたれの工場見学。
ソラチが空知にあるからこそできる、たれづくりにかける想いを感じることができました。
山田工場長さん、社員の皆さまありがとうございました!
それにしても、いい~香りでした♪

さて、今夜は、豚丼にしようかな、それともしゃぶしゃぶかな。
いや、新製品の美唄とりめしの素をつかって、とりめしにしよう!
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