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春からの販売を目指す上砂川のチーズ工房「きまぐれ牧場」要チェックです!


★ 山羊のチーズを作りたい!

大雪に見舞われた今年の空知管内の2月下旬。巨大迷路のような雪壁が両脇に反り立つ細い山道を車を走らせ、ある人を訪ねました。

これ以上先に進むと戻れなくなってしまうのではないかと不安にかられたその時、目的地となる上砂川町の古びた団地に到着。今は使用されていない団地の集会所に伺うと、およそチーズづくりなぞしているとは思えない建物の中から、白衣姿の女性が出迎えてくれました。

空知管内の上砂川町に移住し、チーズ工房「きまぐれ牧場」を構える主の勝長玲美さんです。

勝長さんは、大学在学中、フランスのファームステイ先で山羊のチーズ作りに興味を持ち、帰国後、すぐに千葉県にある酪農家の搾乳部門で働き始めます。2019年からは十勝管内清水町のチーズ工房でチーズ作りを学び、実務経験を積みます。

その傍ら、自ら山羊を飼ってチーズを作りたい!という夢を実現するため土地探し。札幌圏への販路を意識しつつ、山羊が飼える土地があるかどうかを調べるため周辺自治体へ片っ端から電話を掛けました。そうして見つかったのが、空知管内の上砂川町。

「役場の方が快く迎えてくださった」と勝長さん。見つかったのは土地だけではなく、古くなって使っていない団地の集会所を工房として使用することや、地域おこし協力隊としての活動に興味があったご主人の働き口まで紹介してくれたとのこと。

こうして2020年の5月に上砂川町へご主人とともに移住。以前、飲食のお仕事をされていたというご主人のお知り合いの業者さんなどの協力もありながら、集会所の中を少しずつチーズ工房の姿に変えていったとのことです。
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★ まずは空知の牛乳でチーズ作り!

山羊のチーズを作るには、まずは山羊を飼い始めなければならず、それはこれから少しずつ実現していくとのこと。まずは牛乳を使ったチーズ作りから始めています。

昨年12月の工房完成以来、試作を開始。作るのはソフトタイプのウォッシュチーズ。ウォッシュチーズとは、チーズを塩水やお酒などで洗いながら熟成させるチーズのことで、「臭い」とも言われるような独特な匂いやクセが特徴のチーズです。

牛乳は、砂川市にある岩瀬牧場さんなどから購入して使っており、原材料も空知産のチーズ。洗うお酒は様々なものを試しているとのことで、ぶどうの搾りかすで作るマール酒や、中には空知管内新十津川町の老舗酒蔵「金滴酒造」さんの日本酒を使って試作しているチーズもあるとか。「なるべく地元の材料を使えたら」と ‟ 空知のチーズ ”を意識して試作していると言います。
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現在は、春以降の販売に向け試作を繰り返す毎日。

「学んだ通りの作り方で試作してもなかなか教えてもらった通りのものが出来ない」と温度や湿度など環境によって出来が違うことを実感。「繊細な生き物です」と日々変わるチーズの表情とにらめっこしながらの毎日。しかし、そう話す表情は笑顔で溢れ、こうした過程は苦労ではなく夢に向かって進んでいる証拠として楽しんでいる様子です。

 
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★ ソムリエも麻美さんもその味を絶賛!

試作中ですが、今回、当協議会主催のイベント「そらち・デ・ビューフェア2020@オンライン~空知の食の魅力をPIZZAで語ろう!」の中で、ワインに合う空知の食材として紹介させていただくため、試作品を少しだけ分けていただきました。
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分けていただいたのは、チーズを作ってから35~36日経過したマール酒で洗って発酵させたもの。
イベントにご出演いただいたワインソムリエの池田卓矢さんは、「ウォッシュチーズというと臭いという感じですが、非常にマールの香りが良い(チーズ)」と試食の感想を述べられ、イベントのMCを務めていただいたフリーアナウンサーの佐藤麻美さんは「始めにお酒の香りがふわっと鼻に抜けて、その後のミルク感の強さたるや…、濃厚なミルクの味はするんだけど、さっぱりとした非常に贅沢なチーズ」と絶賛!

さらに池田さんは、「今後空知管内でマール酒が作られる予定がある」として将来的なオール空知のウォッシュチーズに期待。また、山羊のチーズは空知管内で多く作られているブドウの品種、ソービニヨンブランとの相性が非常に良いとのことで、空知のワインとの巡り合わせに心躍らせていました。
▼ オンラインイベントの様子はこちらから
※本編は4分55秒から始まります。


★ 山羊のチーズは「再来年くらいかな」

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山羊のチーズについて勝長さんに聞くと、「今年、山羊小屋を作って秋頃から飼えれば…、チーズは再来年くらいかな」とのこと。実は私も牛乳を使ったウォッシュチーズを試食させていただきましたが、池田さんや麻美さんが絶賛するとおりの美味しさ!香りとミルク感がしっかりと感じられるが強すぎず、チーズのコクと後味のスッキリ感があって「大変おいしゅうございます」なチーズです。

「牛乳のチーズがこんなに美味しいのなら、山羊のミルクだったら…どんだけ…!」。想像するだけでもヨダレが溢れてきますが、それを楽しみにまずは今年の春からの牛乳のチーズを思う存分味わいましょう!

勝長さんが手掛ける「きまぐれ牧場」の最新情報は、工房のFacebookやInstagramでも発信しています。ネット通販も行っていくそうですので、チーズ好き、ワイン好きの方々は要チェックですよ!

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