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「えっ?札幌で大雪?空知、大丈夫?」ご心配ありがとうございます。空知は元気にしています。

確かによく降りますが。

「どちらからお越しですか?」
「空知です。」
「…(微妙な間)、大雪で有名なところですよね。」

空知エリアの外で初対面の方とお話すると、よくこんなパターンの会話になります。
で、この「…」という微妙な間に、「気の毒だなこの人」という若干の哀れみと、「悪いこと聞いちゃったかな」的な気マズい空気を感じるのは、私だけでしょうか。
確かにね、昨年の冬は豪雪で、空き家が雪の重みに耐えきれず、何棟か倒壊しましたけどね、空知では。

♪あなた、変わりは~ないで~すか~ 

2022年2月6日。
北海道は、札幌市で24時間に60センチもの雪が降るという、観測史上最大の大雪に見舞われました。
JRはほぼ3日にわたって全面運休。バスも、道路が狭くて対向車とすれ違うことができないなどの理由から、運休する路線や、運行しても大幅に遅れる路線が続出しました。
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翌7日、札幌駅のおとなりの苗穂駅構内は、こんな感じ。画像の中央より右側が在来線の線路です。完全に雪に埋まっていて、除雪作業もまだ手つかずの状況。こんなにもいっぺんに降られると、どう頑張ってもなかなか除雪は追いつきません。
実際、JRが全面復旧したのは8日後の週明け、2月14日のことでした。

…と、ここまで聞いたそこのあなた。
空知=豪雪、北海道で豪雪といえば空知、空知も今回、災害級の大雪に見舞われて、札幌よりひどい状況なのでしょう?と思い込んでいるでしょ、どうせ。心配してくださっていることと思います。

確かに、札幌~岩見沢間は、JRも高速バスも止まりました。
しかし。それは札幌市内の大雪の影響によるもので、札幌にわりと近い南空知エリアの岩見沢市では、札幌ほどひどい降り方ではなかったのです。
更に、滝川市や砂川市など、中空知エリアからは「大雪を覚悟していたのに、あまり降らなくて肩すかしくらったわ」なんて声も聞こえてきました。
いえ、別に強がって言っている訳でも、大雪を待ち望んでいた訳でもないのです。
みなさん、信じてくれるかな、信じてくれないだろうな…

冬道のリアル

百聞は一見にしかず。降雪から3日目の、岩見沢市内の道路状況をご覧いただきましょう!
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↑こちらは朝8時頃の、スタッフの自宅近く。立山黒部アルペンルートみたいな雪壁っぷりです。

さらっと雪が降った路面は凸凹も少なく、割ときれいに除雪されていますね。中通りなので、車がかち合うこと自体、あまりありませんが、鉢合わせした時は譲り合あって行き交うのが北国では暗黙のルールです。

 
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↑朝9時半頃の岩見沢駅前にて。
歩道にはロードヒーティングが入っているため、路面が出ていて歩きやすいですね。
車道も広く除雪されていました。

 
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↑職場近くの交差点です。時間は朝10時前。前日にブルトーザーとダンプカーが何往復もして、きれいに排雪してくれました。
ちなみに、排雪の直後は毎度、「道路ってこんなに広かったんだ…」とちょっぴり新鮮な気持ちになります。

 
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↑これは19時頃の国道の様子。片側2車線の道路は、さすがに雪で道幅が狭くなっているものの、車の流れは順調でした。
路肩の雪山は2メートル以上?街路灯と街路樹が支えになって、こんなに高く積み上げることができたのでしょうか???除雪作業員さんの腕前?に脱帽です。

とまぁこんな具合に岩見沢市内、とりあえず除雪は行き届いていて、その後も1週間ほど、まとまった降雪はありません。ただ、雪壁で見通しの良くないところでは、通行の際に十分な安全確認が大切です。

 

札幌が大雪になると、空知では雪が少ない?? 

そういえば、札幌が大雪に見舞われた数年前の冬、ススキノでタクシーに乗ったら、運転手さんがこんなことを言っていました。

「去年、空知方面が大雪だったでしょ。札幌の雪が少ないと、向こうがたくさん降るんだよね。岩見沢って大変だね~ハッハッハ!なーんて笑っていたら、今年札幌が大雪さ。これって岩見沢の恨みかね。」

いえ、別に恨んでなんて、いませんけど…
そもそも、何で大雪になるのでしょう?
気象庁の、札幌管区気象台のホームページに、こんな図が掲載されています。
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【冬型の気圧配置がもたらす大雪の概念図(気象庁 札幌管区気象台のホームページより)】
大雪のメカニズムがとってもわかりやすいですね。
冬の北海道では、シベリア方面からやってくる季節風が日本海の上空で水蒸気を含むことによって、雪雲が発達し、それが北海道の日本海側の各地に雪を降らせる…ということのようです。

そして、気圧配置や風向き次第では、同じ方面へ線状に雪雲が流れて局地的な大雪をもたらす、なんてことも結構起こります。
例えば、雪雲が石狩湾から南東方向へ流れ続けると札幌方面が大雪になる一方で、その雲の流れから外れた空知ではほとんど雪が降らない。逆に、岩見沢方面、中空知方面でドカッと雪が降ったのに、その雪雲がかからなかった札幌では降雪量がゼロ、なんて日もあったりするのです。
このあたりは天気予報で雨雲レーダーなんかを見てみると、雲の流れは一目瞭然。素人にもよくわかります。

まぁ、札幌と岩見沢の降雪量が反比例の関係にある、というより、雪雲の流れによって局所的に大雪となるエリアと、降雪量はほぼゼロの場所とに分かれることがある…といったところでしょうか。

要は、雪への耐性、雪とうまく付き合うということ。

雪に慣れていない東京あたりで、10センチ雪が降るとなったら警報級のお話ですけれど、そもそも、空知は雪の多いエリアです。冬になれば、雪は降って当たり前。もちろん、日々の除雪は大変だし、体にはこたえるし、家の前の雪をどこへ捨てようか悩ましいときもあります。とはいえ、基本、雪への備えや、降雪状況に応じた除雪・排雪の体制がしっかりしていれば、交通機関や道路の通行に大きな支障なく生活できるものです。
たまに、今回のような大雪に見舞われることもありますが、それも自然の理。うまく雪と付き合っていかなくてはなりませんね。
そして、忘れちゃいけない。北海道では、除雪・排雪を担ってくれている作業員さん達も大切なエッセンシャルワーカーです。寒い中、深夜早朝の作業、いつもありがとうございます。

数日前、中空知エリアの知人から、雪の中でお湯を沸かして、これからコーヒーブレイク!…という様子が送られてきました。
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いいお天気。コーヒーの味も格別だろうな。今度ご馳走してもらおうっと。

ちなみに、北海道ではこの時期、雪の中で秋から寝かせていた「雪の下大根」「雪の下キャベツ」がスーパーに並びます。甘味が増していて、ディップや塩だれを付けて食べると、とってもおいしいんですよ。この季節限定のごちそうです。
どうせ降る雪なら、雪国ならではの暮らしを満喫したいですね。

ということで、結論。
雪は降っても、ここは空知。変わりなく、元気にしています!

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