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【ソラチコーヒー 2杯目】 空知の「名水」でソラチコーヒー

前回はこちら→【ソラチコーヒー 1杯目】 おうちでソラチコーヒー

ソラチコーヒーの2回目は、空知のおいしい水を使って野点でコーヒーを淹れてみます。

空知の名水…

いろいろ調べてみたのですが、石狩川が縦走し、北海道ナンバーワンの米どころの空知、良質な仕込水が欠かせない酒蔵もある空知なのに、一般の人が気軽に利用できる名水スポットは意外にも多くはないことが分かりました。

ちなみに環境省のホームページの「北海道の代表的な湧水」として挙げられている60箇所以上の湧水のうち、空知管内はたった1箇所。
https://www.env.go.jp/water/yusui/result/sub4-2/PRE01-4-2.html


きっとこれは、気軽に利用できる場所が少ないだけの話で、人知れずこんこんと湧き続ける名水はもっと多くあるんだろうと想像します。

今回は、そんな空知の貴重な名水スポットのひとつ、長沼町の「馬追の名水」でソラチコーヒーを淹れてみました。

馬追の名水へ

長沼の市街地から車で数分、馬追山のふもとにある湧水スポットに到着したのは朝9時台。混雑時には行列もできると聞いていたので、この時間に行ってみましたが、他の汲水客?!は1組だけでした。手前には広めの駐車場も用意されていて、車でのアクセスは快適です。

馬追の名水が汲める場所は、この駐車場から10メートルほど山側に入ったところにありますが、ここから約4km離れた私有地で湧き出ていた水を、地元有志の皆さんがこの場所まで引いてきたのがこの場所の始まりで、今から30年近く前の1990年代初期のことだそうです。

源水から引かれてきた水は、いったんタンクに貯蔵されて、そのタンクにつながっている3つの蛇口から汲むことができます。貴重な水資源を私有地で汲ませていただいていますので、必要な分だけいただいて、管理されている有志の方にも敬意を表し、募金箱にも心ばかり入れさせていただきました。ありがとうございました!
 
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カリスマ湯沸かし師?!

さて、空知の名水も無事いただくことができましたので、コーヒーを淹れるわけですが、今日はせっかくドライブに来たので、空知らしい場所で野点気分で淹れてみたいと思います。空知のともいえる名をいただきましたので……そうだ、岩見沢の宝水ワイナリー行こう!(季節限定のソフトクリームも食べたかったのでね。)

長沼から岩見沢までの移動時間は40分程度ですが、今日のソラチコーヒー、この移動時間を使って車でお湯を沸かしちゃいます。
ここでドラえもんのポケットから登場するのが、“ワクヨさん”
車のシガーソケットの電源でお湯を沸かせるポータブル湯沸器です。

普通車のバッテリーは12ボルトなので、家庭用の電気ポットと比べると実にのんびり昇温していきますが、空知らしい丘陵や田園風景の中を移動しながら、宝水ワイナリーに着く頃にはちょうどコーヒーに適温の90℃くらいのお湯ができました。

急速に沸騰してミネラル分が蒸発してしまうと、せっかくの名水の意味が薄れてしまうので、このワクヨさんのゆるさは名水向きと言えますね。

 
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もうこのままソラチ白湯?!でも十分おいしいと思いますが、せっかくなので宝水ワイナリーの夏の名物・ソフトクリームと一緒にコーヒーを楽しみたいと思います。
 
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野点コーヒーとお湯の温度

今回もドリッパーはおうちでも使っている「かんたんドリップ」、豆を挽くミルは携帯タイプ、カップは木製にして、軽量化を図りました。

野点だと、お湯の温度が低くならないか気になると思いますが、お湯の温度が高いほど、コーヒー豆に含まれる成分の抽出力は強くなり、その分、雑味も出てしまいがちです。

また、人間は温度が高いものに対しては味覚が鈍くなり、味がわかりにくくなると言われていますので、せっかくの名水の味わいをよりクリアに感じるなら、低めの温度(80℃位)で淹れて、70℃位で飲むのがおススメです。そして、低めの温度でゆっくり味わうなら、保温性の高い木製カップが理にかなっています。

ちなみに、家庭のコーヒーメーカーでは95℃位の高温で抽出し、カップに注いだときのコーヒーの温度が80℃位の高温になりますので、せっかくの名水がちょっともったいないですね。

 
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茶の湯とソラチコーヒー

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豆はコスタリカの中煎り、柑橘系のさわやかな酸味のあるものを選びました。

「馬追の名水」の成分分析はわかりませんが、日本の湧水に一般的なまろやかな軟水だと思います。汲みたてをそのまま飲むと、冷たくてほのかな甘みも感じ、くせのない飲みやすい味でした。

コーヒーを淹れても、ほのかな甘みとともに、豆がもつ酸味をマイルドにしてくれるようで、すっきり、さっぱりと飲み干すことができました。緑がまぶしい、雨上がりのぶどう畑を眺めながら、もう一杯おかわり!

ドライブ中なのでワインは飲みませんでしたが、ワインの中にも同様な柑橘系の酸味を感じられるものもありますので、空知のワインと食事のあとに、ソラチコーヒーで余韻を楽しむなんてオトナの時間だなぁと思います。

空知の食材を使ったおいしいごはん+空知のワイン→デザート+ソラチコーヒー…
なんてことを考えていたら、懐石料理+酒→菓子+薄茶・濃茶 という「茶の湯」の世界にも通じる文化を作れるんじゃないか、そんな夢もふくらんできました。
ドライブしながら、空知の水で、空知らしいロケーションでいただくコーヒーを楽しみましたが、野点でいただくコーヒーは空知の空気も一緒に味わうことができ、いつも家で飲むコーヒーとは格段においしさが違うと感じました。

ぶどう畑のなだらかな斜面、その先に続く田植えを終えた水田、そしてさらに向こうには、みどり豊かな低山の連なり。田んぼの真ん中を通る車のスピードがスローモーションに感じられるくらいのゆったりとした時間の流れ。

わざわざ名水を汲んで、ドライブ先で淹れて…ということでなくても、自宅のベランダや庭、いつものカフェでテイクアウトにしたりと、普段と違うロケーションで、ゆったりとした時の流れを楽しむ―それもソラチコーヒー

空知の水や風景、四季折々の自然というエッセンスを加えて味わうコーヒー、その違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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