札幌から日帰りで楽しめる、北海道 そらち・デ・ビュー

「北海道空知」をもっと楽しむ情報サイト|そらち・デ・ビュー 「北海道空知」をもっと楽しむ情報サイト|そらち・デ・ビュー

【空知が誇る日本一vol.3】全部で2468段もの階段を擁するズリ山公園「万字炭山森林公園」

岩見沢市栗沢町万字にある万字炭山森林公園は、全部で2468段もの階段があり、「ズリ山公園」としては日本一の段数を誇る。山頂からの眺めは絶景で、昨年は利用者数が2年ぶりに増加した。炭鉱で栄えた歴史を今に伝える公園として、地域になくてはならない場所となっている。
 
現地では、北炭万字炭鉱が1976年まで操業。石炭採掘で出たズリをトロッコで地道に運び、高さ360㍍にまでなった。閉山後は土地所有者の道が94年から5か年計画で森林や散策路を整備。4億3千万円を投じてツツジやシャクナゲなど約1万6千本を植栽し、約21㌶の公園が完成した。
 
当時の有名なエピソードがある。道の事業では、ズリ山に800段の直線階段が計画されていた。ところが、777段で「ズリ山日本一」の看板を掲げていた赤平市から、道に「待った」がかかったのだ。栗沢町側も納得し、現在の775段へ計画が変更された経緯がある。現在も「美談」として語り草となっている。
 
完成後は、風光明媚な観光スポットとして人気を集めたが、他の観光地にも押され右肩下がりに。岩見沢市栗沢支所では毎年5月15日から10月末まで開園期間の利用者数をまとめているが、特に近年は減少が著しく、2016年は前年と比べ半減の610人まで落ち込んだ。ところが昨年は図らずも「V字回復」となり、915人まで持ち直した。
 
同公園を管理する市農政部栗沢産業振興課の石田浩基課長は「万字にジンギスカン鍋を集めた『ジン鍋博物館』が開館したのと、ポンネ湯の人気が高まったことが理由ではないか」と推測する。炭鉱閉山後、急激に過疎化と高齢化が進んだ万字地区にとって、いずれも嬉しい話題となった。
 
同公園は、山の味覚の宝庫でもある。春は山菜採り、秋はキノコ狩りで多くの人が訪れる恵みの森だ。万字に住んで約20年という吉田敏倶さん(70)は「秋はヤマブドウも採れるので、最低でも年1回は登っている。紅葉の景色も素晴らしいし、地元の自慢だね」と笑顔で話す。
 
公園の経緯に詳しい万字町会長の早川建一さん(72)は、「公園をつくることになり、地元はみんな協力した。開園当初はイベントを開き、ずいぶんと人が来て盛り上がった。町内は人口が減り、さびれるばかりだが、その中でこの公園は地域の財産。これからも大切にしていきたい」と話している。

==============================
この記事は、地域の情報発信基地・生活情報誌「プレス空知」から出典して掲載しております。同紙の定期購読はこちらから↓
http://www.websorachi.com/sub02.html
==============================

 
%E4%B8%87%E5%AD%97%E7%82%AD%E5%B1%B1%E6%A3%AE%E6%9E%97%E5%85%AC%E5%9C%92%E2%91%A1.JPG
==============================
この記事は、地域の情報発信基地・生活情報誌「プレス空知」から出典して掲載しております。同紙の定期購読はこちらから↓
http://www.websorachi.com/sub02.html
==============================

あなたにおすすめの記事

TOPへ戻る