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働きたくなる労働条件を整えましょう! ~ 農業分野の「アルバイト募集」の心得をアドバイス ~

こんにちは。あぐり男子です。

これまで農業関係イベントのご案内や空知で頑張る農家さんのご紹介をしてきましたが、今回は私ども空知総合振興局農務課の仕事についてひとつ紹介させていただきたいと思います。

最近、人手不足についてよくニュースで目に耳にしますね。
農業分野もご多分に漏れず、これまで現役で頑張ってこられた農家さんが引退され、農業の担い手と呼ばれる方々が年々減ってきています。
このままだと空知の農業は一体どうなってしまうのか!?

今回は空知の農業について、人の面からみた課題と、取り組みについてご紹介します。

空知の農家さんはどのくらいいるの?

さて、本題に入る前にここでひとつクイズです。
空知の主産業である農業、この農業に携わる農家さんは現在、空知管内に何戸いらっしゃるかご存じですか?

① 22,578戸
② 11,020戸
③ 4,776戸

答え合わせの前に次のグラフをご覧ください。
こちらは空知管内の農家戸数の推移となります。
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現在の調査方式になって以降、農家戸数は減少の一途を辿っており、調査開始時点の1975年(昭和50年)は22,578戸あった農家戸数は、現在ではその1/4以下となっており、先日公表された「農林業センサス2025」の速報では、4,776戸という状況です。

つまり正解は③ということで、ご理解いただけたかと思います。

(注) この数値は速報値のため今後変わる可能性があります。また、自宅で消費する分しか生産していない農家も含んだ戸数のため、実際に農産物販売を行っている農家戸数はさらに少なくなります。

農家戸数が減少している要因としては、やはり「後継者の不在」であり、儲からないから、他の産業と比べると農業に魅力がないから等様々な理由で引き継がれないものと推測されます。

一方、田んぼや畑などの農地面積はそれほど大きく減っておらず、引退した農家さんの農地を他の農家さんが引き継ぐことによって農産物の生産が維持されています。
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と、いうことは、農家さん1戸あたりが管理する農地面積は徐々に大きくなっていることを意味しています。

少ない人数でこれまでよりも多くの農地で農作物を生産しなければならず、いかにして農作業を省力化するか、あるいは人手を確保するかが大きな課題となっています。
(これは空知のみならず北海道全体でも同じ課題となっています…)

人手不足に悩む農家さんの支援を行っています

このような課題に対し、私たち振興局はどのような取り組みを行っているのか、その一例をご紹介します。

空知管内の農家さんでは、特に農作業が忙しい時期にアルバイトさんを雇うことが一般的になっています。また、農家を法人化した場合は社員さんとして迎えることもあります。
時には、農作業の未経験者を雇うことがあり、ほかの仕事とは少々勝手が違う「農作業」。
アルバイトさん・スタッフさんに気持ちよく働いてもらうためには、雇い主の農家さんが、働きやすい職場環境や条件を整えていく必要がありそうです。


このため、振興局ではそのような農家さんを対象にしたセミナーを開催しました。

11月14日、振興局で開催の農業経営セミナーに14名の農家の皆さんが参加されました。
さて、どのようなセミナーになるのでしょうか?
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ここで講師のご紹介です。
北海道のアルバイト求人情報誌と言えば「アルキタ」が有名ですよね。
今回は「アルキタ」の出版元、(株)北海道アルバイト情報社から伊藤マネージャーをお招きし、アルバイトさんが働きやすい環境整備や、求人の効果的な出し方、面接時のNG事例、作業の指示方法などについて、アドバイスをいただきました。
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伊藤マネージャーのレクチャーの中からいくつかご紹介しますと、

「アルバイトの応募者は、農業の求人の中で応募先を選択しておらず、一般企業の求人情報と比較して応募先を決めている。だからこそ、働きたくなる『現場の環境』を整えていこう」

「主婦(主夫)は、子供の成長に合わせて働ける時間が多くなってくる。主婦(主夫)が働ける時間は限られるため、労働時間・日数を細かく設定したり、柔軟に対応できる条件設定で求人すると、応募者が増えます」

「仕事は、希望する生き方を実現するための手段のひとつ。農業ならではの魅力が伝わるような求人も検討してほしい」

講演を聞いた農家さんからは、求人時のお悩みについて質問が寄せられましたが、伊藤マネージャーから分かりやすくアドバイスをいただいたき、スッキリと解決したようです。

農業経営に関するあれこれについて何でもご相談に乗ります

セミナーのあとは、希望される農家さんに個別経営相談会を行いました。
アドバイザーは、農業経営支援のプロ、北海道農業経営相談所(公益財団法人北海道農業公社)の専門家さんです。
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アドバイスを受けた農家さんからは、

「スタッフの長期雇用を考えていますが、このような雇用契約は経験したことがなく、どのように対応したら良いか悩んでいました。今回、専門家から雇用契約について丁寧に教えてもらいとても助かりました。」

「自社の労働環境改善の方向性は間違っておらず自信を持てましたが、さらに改善できる部分があることも学べたため、早速取り組んでいきたいです」

などといった感想をいただき、これまでの農業経営の悩みがスッキリした様子でした。

振興局ではこれからも農業の課題解決に取り組んでいきます

今回はややお堅い話題となってしまいましたが、いかがでしたか?

本日ご紹介したセミナーの開催は振興局における取り組みの一つであり、他にも様々な取り組みを振興局、また関係機関の協力も得ながら行っています。

次回以降の記事でご紹介したいと思いますが、空知の農業が抱える課題は他にも色々あります。すぐには解決できない大きな課題もありますが、農家さんが今後も意欲を持って営農が続けられるよう全力で取り組んで参ります!
(あぐり男子も皆さまに振興局の取り組みを分かりやすくお伝えできるよう精進します!)

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