札幌から日帰りで楽しめる、北海道 そらち・デ・ビュー

「北海道空知」をもっと楽しむ情報サイト|そらち・デ・ビュー 「北海道空知」をもっと楽しむ情報サイト|そらち・デ・ビュー

【ガチの若者が妹背牛を語る】夜のオアシス空トピア 【vol.3・妹背牛町】

みなさんこんにちは。空知総合振興局のTOJOです。

地元に愛される飲食店で、そのまちに住む若者と理想の空知を描く「夜のオアシス空トピア」

第3回となる今回の舞台は…
 
\ 妹背牛町!/
3-1-1.jpg
/ イエェェ~イ!!\

ということで今回は、ここ妹背牛町で、様々な職種の若手の方々にお話をお伺いします。

*****

▼これまでの「夜のオアシス 空トピア」はこちらから
*****
 

妹背"牛"なのに、"馬"がいっぱいいたあの時代

妹背牛町の場所はだいたいこのへん。
%E5%A6%B9%E8%83%8C%E7%89%9B%E5%A0%B4%E6%89%80.jpg
総面積が48.64㎢で、北海道で3番目に小さな町です。ちなみに、1番小さな町は上砂川町(39.98㎢)、2番目は秩父別町(47.18㎢)と、トップ3を空知が占めています。

ところで、皆さんは、妹背牛町でカーリングができることはご存じですか?妹背牛町カーリングホールでは、11月~3月のあいだ、誰でも気軽にカーリングが楽しめます(要予約)。

僕(TOJO)も先日やってみましたが、想像していたより奥が深くて、すごく楽しめました。オススメです!

※妹背牛町カーリングホールの記事はこちら→【超リーズナブル】妹背牛町で1人400円から楽しめるカーリング【足プルプル】

*****

さて、今回の"夜のオアシス"が開店するまで時間があるので、まずやってきたのがこちら、妹背牛郷土館
3-2.jpg
この建物は、昭和6年に役場庁舎として建築されたそうで、平成になる前まで庁舎として使用されていたとのこと。

明治期のフランス風デザインの流れをくんだ建築物として高く評価されているみたいです。確かに見た目がおしゃれ。

今回、館内をご案内していただいたのは、妹背牛町地域教育推進専門員の牛田さんです。
3-3%2C3-24.jpg
中に入ってすぐ目に付いたのが、こちら。
3-4.jpg
これ、全部絵はがきで、館内に1,000枚くらい飾ってあるとのこと。昭和20~30年代の生活の模様を、なんと牛田さんご本人が版画で絵にしたものなんだとか!

ちなみにこの版画、北空知新聞で連載されています!
3-5(1).jpg
(牛田さん)
郷土館といえば歴史的な資料や土器などを展示する場所ですが、絵で昔の生活を表現しているのは妹背牛だけだと思います。


絵の横には、その絵に関するエピソードが添えられています。例えばこの絵。
3-6-1.jpg
妹背牛には昔、一家に一頭と言っても過言ではないくらい馬がいたそう。また、馬は自分の家を覚えて帰ってくる習性があるとのことで、お酒を飲んで酔っ払っても、馬そりに乗ってしまえば家まで帰ることができたそうな。

現代にもあればタクシー代が浮くじゃん…いいなぁ…とか考えながら奥へ進んでいくと、

昔の生活用具や農具がずらり!
3-7.jpg
(牛田さん)
北海道の開拓といえば屯田兵のイメージがあると思いますが、その時期、妹背牛には農場経営者が入ってきて、農業開拓が行われたんです。妹背牛には農業の先駆者がたくさんいたのに、それを知らない町民が多いので、もっとたくさんの人に知ってもらいたいですね。
3-8.jpg
なるほど…。僕も、住んでいる街の歴史、知らないことが多いもんな~。

郷土館には、妹背牛町指定文化財の"しし頭と天狗面"もありました。
3-9.jpg
獅子舞は、悪いけものを神の子が退治するという戦いを表したもので、町の伝統芸能とされています。

ほかにも、妹背牛の教育文化の話や、明治期に鉄道ができたことにより人がどっと増えた話など、ここでは語り尽くせないほどコアな妹背牛のお話を聞かせていただきました。みなさんもぜひ行ってみてください!
さて、オアシスに行きましょう!
 

人との交流が元気の素、そして町の活気へ

今回の"夜のオアシス"はこちらです。
3-10.jpg
"わかち愛もせうし"と大きく書かれた、「わかち愛もせうしひろば」です。

普段は誰でも自由に入って休憩することができる広場として使われていますが、その一角にあるのが、こちらの「わかち愛食堂」
3-11.jpg
毎週月曜日のお昼は食堂としてランチ営業しており、毎月第3月曜日には、夜に「夕暮れサロン」が開かれて、お酒やおつまみの提供が行われています。

3月の夕暮れサロンの開店直後に来たのですが、すごい賑わい。
D912jJLS6xJa6AL1554886416_1554886520.jpg
わかち愛食堂を運営されている、NPO法人わかち愛もせうしの理事長、水上さんにお話をお伺いします。
3-13.jpg
――今日はよろしくお願いします!早速ですが、お店を始められたきっかけを教えてください。

(水上さん)
元々、ここには農協の店舗が入っていましたが、5~6年前に閉店してしまいました。そこで、この場所を活用するために立ち上げたのが「NPO法人わかち愛もせうし」でした。


――なるほど。NPO法人を立ち上げて、この場所を活用するために食堂をやろうということになったんですね。

(水上さん)
町民を相手にアンケートを取ったりした結果、「居場所がほしい」という声が多かったんです。


――人と人とが関わり合える場所ということですね。それで卓球台が置いてあったりするんですね~。
3-14.jpg
▲ひろばの一角には卓球台があって、誰でも自由に使うことができます。

――食堂のメニューは週替わりとのことですが、どのように決めているんですか?

(水上さん)
食堂の従業員の方々が決めてくれています。従業員はみなさんボランティアなんです。ボランティアの方々が、飽きられないように工夫をして、メニューを考え、料理を作ってくれています。


*****

ちなみに、4月のメニューはこんな感じ。どれもワンコイン!しかも、ごはんはおかわり自由とのこと。食いしんボーイの僕(TOJO)にはたまらないうれしさ。お米は妹背牛産だそうです。
3-15(1).jpg
――夕暮れサロンも5年前から実施されていたんですか?

(水上さん)
夕暮れサロンを始めたのは1年ちょっと前からなんです。昼だけだと時間も限られてしまうし、お客さん同士がもう少しお話できる機会があってもいいだろうということで始めました。


――そうだったんですね!…ちなみに、ずっと気になっていたのですが、そのTシャツのキャラクターは…?
image%20(2).jpg
(水上さん)
これは、わかち愛もせうしのオリジナルキャラクター「あいもちゃん」です。わかちあいの"あい"と、もせうしの"も"で、あいもちゃん。せっかくつくったキャラクターなので、Tシャツにしてみました。イベントのときに着たりしています。


――ラブリーですね!僕も欲しいです!
3-17.jpg
――では、最後になりますが、お店を通じて、みなさんにお伝えしたいことはありますか?

(水上さん)
今は少子高齢化の社会で、お年寄りは家の中に引きこもりがち、というのが現実です。でも、こういう場所に来てもらって、みんなと顔を合わせていろんな話をすることによって、元気が出てくると思うんですよ。たくさんの人に、こういう場に顔を出してもらうことが願いです。人と交流をして笑ったりすることが元気の素ですし、それが妹背牛の活気にもなると思います。


――つらいときも、笑うことで元気が出たりしますよね!わかち愛もせうしの活動で、地域がもっと元気になることを僕も祈っています。ありがとうございました!
 

活気はあるけど住む場所が…

――さて、おいしいごはんを食べながら、空トピアを語りましょう。本日は妹背牛在住の若手3人にお集まりいただきました。

*****

メンバー1:小林さん

妹背牛町教育委員会に勤務している。24歳。カレーライス大好き。
3-18.jpg
*****

メンバー2:鈴木さん

妹背牛保育所の保育士さん。24歳。趣味は温泉巡り。
3-19.jpg
*****

メンバー3:熊谷さん

妹背牛の若手農業者。24歳。最近、酢味噌で作った味噌汁にハマっている。
3-20.jpg
――今日はお集まりいただきありがとうございます!みなさん年齢は同じですが職業が異なりますので、いろいろなお話ができればと思います。よろしくお願いします!
%E7%A9%BA%E3%83%883-21.jpg
――みなさんは、妹背牛出身ですか?

(小林さん)
僕は留萌市出身です。


(鈴木さん)
私は赤平市です。


(熊谷さん)
僕は妹背牛出身です。大学時代は江別に住んでいましたが、それ以外は妹背牛です。


――みなさん職業だけでなく、出身もバラバラなんですね。出身が別々でもお仕事をされているのは妹背牛ということで、まず小林さんが妹背牛に就職したのはなぜですか?

(小林さん)
僕、元々は保健体育の教員になりたかったんです。それで、教員を目指して大学に通っていたんですけど、ある日、ボランティアに参加したときに、社会教育主事の方と出会って、その仕事に興味を持ちまして。社会教育主事として働くことにした結果、縁あって妹背牛へ来ました。


――社会教育主事のお仕事とは、どのようなものなのでしょうか。

(小林さん)
学校教育で補えない部分を事業化して、子どもに教えたりする仕事です。人とのコミュニケーションなど。あとは、地域の人たちが学びたいと思っていることを聞いて、学びの場として提供しています。


――かっこいいですね~!鈴木さんは、なぜ妹背牛に?

(鈴木さん)
私は小さい頃からずっと保育士になりたくて、滝川市の短大で資格を取ったんですけど、都会より田舎の保育所で働きたいと思っていたんです。その方が、ちょっとアットホームな感じで、子どもと密接に関われるかなと思って。赤平からも近いし、自然も多くて過ごしやすそうだということもありました。


――確かに、密接な関わりを求めたら田舎がいいかもしれませんね。妹背牛に住んでみて、ほかに魅力を感じたところはありますか?

(小林さん)
子どもが元気!


(熊谷さん)
お年寄りも元気!お年寄りの方って、あまり外に出歩かないイメージがあったりしますけど、妹背牛はそんなことないです。こういう交流の場があればみんな出てきてくれる。活気を感じますね。


――町に活気があって町民みんなが元気っていいですね!
 
*****

夕暮れサロンのお料理のラインナップ。好きなものを頼むと、ボランティアの方がその場でお皿に盛ってくれます。値段がどれもリーズナブル!
3-22.jpg
*****

(熊谷さん)
でも、妹背牛って働くところもあまりないし、住む場所もあまりないから、若い人が少ないなぁと感じます。何十年と経ったあと、人が全然いなくなって町に活気がなくなるんじゃないかと不安です。


(小林さん)
住む場所に関しては、妹背牛町内に就職してる人は妹背牛が地元の人が多いから、実家に住みながら職場に通ったりしてる人が多いですけど、妹背牛にある企業の従業員とかは深川から通ってる人もいるみたいです。


――そうだったんですね。ちなみに、町民が集まる憩いの場のような場所は、このわかち愛もせうしひろばのほかにもあるんでしょうか。中高生とかはどこに集まっているんですか?

(熊谷さん)
ここは食堂がやっていない日も解放されているので、学生もいたりします。ほかには、小学生とかは「うらら公園」に集まったり、外で遊んだりしてますけどね。中高生は友達の家に集まって遊んだり勉強したりって感じかな。
3-23.jpg
▲うらら公園こと「遊水公園うらら」は、無料で遊べるウォータースライダーがある公園!様々な遊具やパークゴルフ場、バーベキュー設備もあるんだとか。

(小林さん)
生涯学習センターのような、中高生が勉強とかできるような施設があればいいなと思います。学生が集まるような風景があまり見られないですし。


――なるほど。高齢者福祉が進んで町に活気が出てきている反面、中高生が集まれる場所は限られているんですね。
 

高齢者の集い、「悠遊クラブ」とは

――ほかに、人が集まるような場所ってあるんですか?

(小林さん)
そういえば、妹背牛には「悠遊クラブ」というクラブがあって、妹背牛小学校の2階の空き教室を使って、高齢者の方々が麻雀をしたり、かるたなどの昔遊びをしたりしていますよ。


――そんなクラブがあるんですね!

(鈴木さん)
クラブの人たちは、行事のときに保育所にも来てくれています。子どもたちに絵本の読み聞かせをしてくれたりとか。


(小林さん)
小学校でも年に1~2回、「昔遊び」っていう授業をやっていますよ。今年は1年生の子たちが受けたんですけど、クラブの人たちがけん玉とかコマ回しとかを教える授業です。この授業のときは子どもたちが一方的に楽しむんじゃなくて、教えているクラブの人たちも楽しそうにしてるんです。妹背牛町地域教育推進専門員の方が中心となって、クラブとしてほかにも様々な活動をされています。


――あれ?その専門員の方ってもしかして…えっと…妹背…牛…だ……あっ!


 
%E5%A6%B9%E8%83%8C%E7%89%9B%E7%94%B0%E3%81%95%E3%82%93.jpg



――今日、妹背牛郷土館に行ってきたのですが、牛田さんに館内を案内してもらったんですよ。そんな活動までされていたんですね…!
 

町内にある手作りオブジェの正体

――そういえば、妹背牛って手作りの物で町をにぎやかにするアイデアがすごいな~と思ったんですが、何かそういう意識とかあるんですかね?これ、今日駅で撮ってきた写真なんですけど…
3-25(1).jpg
――駅の中で、やたら存在感を放っていました。

(鈴木さん)
あ、これかかしじゃない?秋に大会があるんですよ!かかし大会!


――かかし大会?

(熊谷さん)
毎年10月頃に、「収穫感謝祭」っていうお祭りとあわせて、創作かかし大会が行われているんです。農協とか商工会とか、地元の商店から個人まで、いろんなアイデアを出してかかしを作って、それを審査するっていう催しです。


――へぇ~、あれかかしだったんだ!面白い大会ですね。さすが農業の町。

(鈴木さん)
あれ、時期になると町内の道路の路肩に全部飾られるんですよ。面白いかかしがたくさん並ぶので圧巻ですが、夜になると人型のかかしにはちょっとびっくりします(笑)
3-26.jpg
▲ひろばの隣、農協にも飾ってありました。このかかしは2018年の最優秀賞作品だったみたい!
 

活気と向上心にあふれる町、妹背牛

――さて、おなかも満たされたので、最後に町の未来についてお伺いします。町をよりよくするために必要なものって何だと思いますか?
3-27.jpg
(熊谷さん)
僕はまちをもっと活気づけるためのきっかけがほしいですね。お祭りとかイベントをやれば町民は結構集まるけど、そのほかに、常に人が集まれる場所がほしいと思います。あと、若い人が集まれる場所がないですね。飲み屋にしても、妹背牛はスナックしかないから…。


(小林さん)
バー的な…若者が集まれるような飲み屋があればいいなと思いますね。


――さきほど出てきた生涯学習センターの話にもありましたが、若者向けの施設とか飲み屋さんが不足しているのかもしれませんね。

(小林さん)
あとは、若い人たちって、上の世代の人たちが今までやってきたことをただ淡々と同じようにやっているだけで、新しいことをやってない人が多いと思うんですよね。そうじゃなくて、妹背牛に若い人たちだけの団体を作って、その中で意見をどんどん出し合って、若者が中心となってイベントをやるだとか、そういうことが必要なんじゃないのかなと思います。
3-28.jpg
(小林さん)
町内の「若者」っていうくくりの中って、自分たちより10歳上の人とかも含まれているんですよ。でも、そんなに歳が離れてたら正直意見って言いづらかったりするじゃないですか。なので、本当の同年代の若い人たちの集まりをつくって、俺らの考えでどんどん発信できる仕組みがあると、新しいものがどんどん生まれるんじゃないかなと思います。


――いいですね。同年代の集まりだと、普段年上の人たちに言いづらいことも言えるようになって、新しいアイデアがたくさん出てきそうです。

(鈴木さん)
私は、子育ての話になってしまうんですけど、妹背牛って子育てはしやすい町だと思うんですよ。兄弟がいたら2人目は保育料半額、3人目は無料とか。ただ、妹背牛保育所から、よく子どもたちの遊び場になる「うらら公園」って1.5kmくらいあって、ちょっと遠いんですよね。1歳2歳の子たちはそこまで行くのが大変で。妹背牛小学校にも遊びに行っていいことになっているけど、遊具が小学生向けだから、みんなの背丈に合わなくて。子どもの遊べる場所が、今でも充実している方だとは思いますが、もう少し増えてもいいのかなと思います。
%E7%A9%BA%E3%83%883-29.jpg
▲駅前にあった町内のマップ。確かに、保育所から公園まで距離があります。

(鈴木さん)
あとは、保育所の年長さんは、町の高齢者とふれあう機会があるんです。老人施設を訪問して、歌ったり踊ったり、折り紙したり。ただ、年長さん以外はそういう機会がないので、保育所全体で高齢者の方々とふれあう機会があれば、いい刺激になるのになぁと思います。


――まちに活気はあって、子育てに関する施設や支援は充実しているなど、いいところはたくさん出てきますが、現状で満足せず、もっといい町になるようにと考え続けることって、とても大切だなと思います。僕も現状で満足せずに、もっとカッコイイ人間になれるように努力します!今日はありがとうございました~!
*****

というわけで、今回は妹背牛でいろいろなお仕事をされている24歳の男女にお話を伺ってきました。

妹背牛には、たくさんの絵はがきが飾られている郷土館があること、食堂の運営や様々な活動で交流の場を提供しているNPO法人があること、子どもから高齢者まで元気で町に活気があること、そして、現状に満足せず、向上心にあふれた若者がいるということがわかりました。僕も向上心はずっと持ち続けたいです!

さて、来週はなんと最終回…!

「月形町」で、いろいろなお仕事をされている若者と空トピアを描きます。

お楽しみに~!

*****

▼これまでの「ソラシル未来授業Web版」はこちらから

あなたにおすすめの記事

TOPへ戻る