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【ソラチコーヒー 5杯目】 のうこうミルクとソラチコーヒー

冬こそ ソラチコーヒー

おいしいコーヒーのある日々を通じて、空知の魅力をゆる~く発信するソラチコーヒー。5回目を迎えました。

空知では平地で初雪…どころかいきなりドカ雪も降り、いよいよ冬本番を迎える季節となりましたが、ソラチコーヒーにとっては、これからがオンシーズンだと勝手に思っています。もちろんキンキンに冷えた真夏のアイスコーヒーも大好きですが、やっぱり冬のホットコーヒーにはかないません。

窓の外はしんしんと降り積もる粉雪だけど、家の中は温かく、コーヒーカップ越しに薪ストーブの火がゆらゆら揺れている―そんなふうに飲むコーヒーこそ空知らしいと思いませんか?
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今回は空知産の牛乳や、きっと空知産も含まれる?!であろうお砂糖など、名脇役とともにソラチコーヒーをおうちで楽しんでいきたいと思います。

コーヒーの香りでリラックス

ところで皆さんは、どんなシチュエーションでコーヒーを飲むことが多いでしょうか?朝食のパンと一緒に、仕事中ここ一番がんばるぞ!の前に、休日や休み時間にほっと一息、お気に入りのカフェでのんびりと…など様々だと思いますが、コーヒーを飲むとリラックスできると感じている方も多いのではないでしょうか。

精神科医で杏林大学名誉教授の古賀良彦先生の研究では、人がリラックスしたときに出る脳波(α波)は、コーヒーの香りを嗅ぐだけで出てくるそうです。
さらに驚くのは、ブルーマウンテンやグァテマラ、モカなど、コーヒーの種類(産地)によってリラックス効果に差が出るとのこと。古賀先生が実験に使った6種類のコーヒー豆のうち、α波が最も出たのがグァテマラとブルーマウンテンで、この2種の香りにはリラックス効果が認められる結果となったそうです。

また、人の集中度を表す別の脳波を測定した実験では、マンデリンやブラジル・サントス、ハワイ・コナが高い数値を示し、α波の実験とは逆の傾向を示したそうです。
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鼻から入った嗅覚の情報は、大脳に直接働きかけるといわれています。
アロマテラピーで用いられるエッセンシャルオイルの香りと同様に、リラックスしたいときと、集中したいとき、コーヒーも香りでうまく使い分けるといいみたいですね。
 
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そう考えてみると、私たちの日常生活には、コーヒー以外にもいろんな香りがあふれていて、どの香りとコーヒーの香りをマッチングするか…なんていう楽しみ方も無限大に広がります。「香り」もコーヒーの大切な脇役と言えるのではないでしょうか。

焼きたてパンの香りや旬の花の香りだけでなく、例えばまちの歴史・文化の薫り、季節の風の薫りなど、空知の「かおり」と楽しむソラチコーヒーなんていうのもいいですね。

「のうこう牛乳」改め「岩農牛乳」ついにゲット!

さて、次の脇役は牛乳です。空知産の牛乳でミルクコーヒーを飲みたいとリサーチしてみたのですが、空知の牛乳ってかなりレアであることが分かりました。最新の統計データを見ても、乳用牛の数は14振興局中で下から3番目で、北海道の中で1%にも届いていません。それでも、都道府県別ランキングに当てはめれば、空知だけで神奈川県や愛媛県の数と肩を並べる全国30位相当になるあたりが酪農王国・北海道の底力を感じますね。

この「そらち・デ・ビュー」でも、アイスクリームや乳製品のおいしいお店を数多く紹介していますが、ソラチコーヒーにぴったりの牛乳もちゃんとありました。岩見沢農業高校の校内の牛舎で飼育する乳牛から、生徒さんが製造販売する「のうこう牛乳」です。

直営の岩農(がんのう)ショップでの販売時にはすぐに売り切れる人気ぶりと聞いて、ずっと気になっていました。今年の春からパッケージをリニューアルして、Aコープなど岩見沢市内のスーパーでも入荷日限定・数量限定で販売しています。商品名は「岩農牛乳」に変更されましたが、中身はこれまでと変わらず、のうこう…農高!…濃厚!!です。
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朝5:30から搾乳し、生乳に近く乳酸菌が生かせる低温殺菌後に生徒さんが授業の中でパック詰めを行って出荷しているそうです。酪農家が生産した生乳をブレンドしている乳業会社の牛乳とは違い、1つの牛舎から生産されたという、コーヒーで言えばシングルオリジンと同じスペシャリティ牛乳です。
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この牛乳をちょっぴり温めてから、香りのリラックス効果が高いと言われるグァテマラに合わせてミルクコーヒーにしてみました。
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岩農牛乳は、低温殺菌で生乳そのものの味わいを生かしている上に、無脂乳固形分(=水分と乳脂肪分以外の成分のことで、たんぱく質や乳糖、ミネラル分が該当)、乳脂肪分ともに国の基準より厳しい(高い割合の)目標を設定し、クリアしないと販売されません。要はとても濃厚ということですね。

無脂乳固形分は、うまみや甘みの成分となるため、牛乳のミルキー感も生み出しています。たしかに牛乳だけで飲むと、まるでソフトクリームのような甘みが広がりました。ミルクコーヒーにしても、ほのかな甘みとミルキーさは健在でしたが、意外にもコーヒーの香りと味がより際立って感じて、もっとミルク多めでもいいかもと感じました。

諸説あるようですが、
 カフェオレはコーヒーと牛乳が1:1
 ミルクコーヒーはそれより牛乳の割合が多い
というのが一般的なようです。

名古屋に本部がある某コーヒーチェーンでは、カフェオレはコーヒーと牛乳が4:6、ミルクコーヒーは2:8の割合で入っているそうです。岩農生が手塩にかけたスペシャリティ牛乳を使ったソラチ”ミルク”コーヒーですから、コ〇ダを上回る割合でミルク多めでいただきましょう!

ソラチシュガーを探せ!

次の脇役は、お砂糖です。「コーヒーはブラック派だよ」という“違いのわかる”オトナの皆さまも多いことと思いますが、私は「ミルクとお砂糖、どうしますか?」と聞かれたら、迷わず「両方ください」と答えます。このお砂糖についても、身近な空知産でソラチコーヒーができないものかと探してみることにしました。

沖縄では「サトウキビ」、北海道では「てん菜(ビート)」を原料にして砂糖を作っているのは皆さんもご承知のとおりですが、北海道産のてん菜糖を前面に出して売っている砂糖はそんなに多くはありません。近所のスーパーでは、ふつうの上白糖よりちょっぴり割高の褐色の粉のタイプやボトル入りのシロップを見かける程度です。さらに、北海道・〇〇産など、道内の産地までうたっているものはありません。
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どちらかというと、北海道産の部分よりは、ミネラル豊富で、オリゴ糖が入って、おなかにやさしいことをウリにしていますよね。やっぱり空知産は無理かな…。

ここで諦めずに、さらに調べてみたところ、おそらく空知産も含まれているだろう!?というものがありました。
パン作りに活用している強力粉・キタノカオリを販売しているJAいわみざわで、小麦とも大いに関連するこんな取組をしていました。

空知型輪作の取組 ~考えた人「てんさい」?!~

タイトルからしていいですねー「空知型」。
同じ土壌に同じ作物を作り続ける「連作」は、病原体・害虫などが発生しやすくなり、収穫量・品質の低下などを起こしてしまうそうです。そこで、栽培する作物を周期的に変えることで土壌の栄養バランスを取り、収穫量・品質を向上させるのが「輪作」で、なんと古代ローマ時代にも輪作が行われていた記録が残っています。

JAいわみざわ管内では、米の生産調整の影響により平成15年頃から水稲、大豆、小麦の3作物での輪作に取り組んできましたが、省力化やコスト削減も取り入れたため連作障害に歯止めがかからなかったそうです。そうした中、第4の輪作作物として平成27年から「てん菜」を取り入れた新たな空知型輪作をスタートしました。令和元年には、てん菜の作付面積は110haを超え、JAいわみざわてん菜研究会が中心となって、SNSを活用した生産者間や製糖会社との情報共有など栽培技術の向上により、高品質のてん菜の普及拡大を図っているそうです。
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空知のてん菜・赤丸急上昇中

ここで、我が道庁の統計資料で、道内のてん菜の生産量(R2年生産見込数量)を確認してみたら、空知は生産量こそ14振興局中7番目ですが、作付面積や生産量の”伸び”、そして”R2年産のha当たりの収量”はともに第一位です!赤丸急上昇中の空知のてん菜なんですね。

では空知産のてん菜糖はどうしたら手に入るのか…やっぱり専門家に聞いてみたほうが早いということで、我が振興局が誇る農産物生産振興のスペシャリストに聞いてみました。

私「JAいわみざわで作っているてん菜からできた砂糖って…どこかで売っていますか?」
スペシャリスト「うーん。…士別の工場に集めて…他の地域のてん菜と混ぜてるから…」
私「じゃあ、JAいわみざわ産も含んでいるってことで、ソラチシュガーとしましょう!」

後日スーパーで、スペシャリストの教えのとおり、士別の製糖工場で作っているビートオリゴ糖のシロップを手に入れることができました。「ビート糖蜜(北海道産)」←ここに空知産が入っているであろうことを想像して。
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ソラチシュガーでオトナのミルメーク

ほぼソラチシュガーを使って、ソラチコーヒーを作りましょう(笑)。
せっかくなので、先ほどの岩農牛乳と合わせて、さらに甘々のミルクコーヒーにしてみることにしました。

かつて学校給食の牛乳にたまについてきた「ミルメーク」覚えていますか?チューブに入った甘~いコーヒーのエキスみたいなやつを牛乳に入れて飲んだ。私は、牛乳そのものは大好きというほどではなかったので、それを甘いコーヒー味に変えてくれるミルメークは、まさに魔法の液体でした。あの懐かしい思い出を、ソラチコーヒーで再現してみようと思います。
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オトナのミルメークは、ちゃんとドリップします。
コーヒー豆は細かく挽いて、少量のお湯で出し切るよう、ゆっくりお湯を注ぎます。そして、ビートオリゴのシロップもやや多めに溶かしましょう。
給食のミルメークは冷たい牛乳に入れましたが、オトナのミルメークは温かいまま、温めた岩農牛乳に注ぎます。
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甘さも、ミルク感も、コーヒー感もいいバランスでした。当時とはまた違った味や香りだと思いますが、給食のミルメークに喜んでいた小学生の頃の自分を懐かしく思い出しました。

ココロもあったまる。

空知産の牛乳や砂糖と一緒に楽しんだソラチコーヒーでしたが、香りでリラックスしたり、地元高校生の頑張る姿を想像したり、懐かしい飲み方で郷愁に誘われたりと、コーヒーは、ふっと肩のチカラを抜いて、いろんな想いを巡らせるためのスイッチにもなるような気がします。

郷愁に誘われるもよし、コロナ禍でなかなか会えない人を想像してもよし、何かを想うきっかけとなる―それもソラチコーヒー。

この冬は、体もココロもあったまるソラチコーヒー見つけてみませんか。

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