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【 てつこの部屋 】 ~ VOL18 最終回 終わりなき旅 ~

 高校入試


豪雪に見舞われた岩見沢にも
ようやく春の足音が聞こえてきた。

SASUKEの舞台セットのごとく
巨大にそそり立っていた雪壁も

ここ数日の穏やかな日差しで
ずいぶん溶けてくれました。



岩見沢に赴任してもうすぐ1年。



炭鉄港カードを巡る旅は
前回の三笠によって無事ピリオドを
迎えました。


終わりに近づくにつれて
カードは売り切れ続出でしたが(苦笑)


読者の皆さまには
少しでもこの感動を
共有することができたのかなって。



そして
もしかすると
読者の中にいたかもしれない
中学3年生の諸君。

今年の高校入試(社会)の際には
私に感謝したのではなかろうか?!
 
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なんと、

私が大倉さんと三上さんに
会いに行き、

このブログでも詳しくご紹介した
旧住友赤平立坑

社会科の試験に登場したんです!


試験問題では
北海道石炭生産量の推移や
それに伴う人口減、雇用への影響が
問われていました。


うんうん。
北海道の近代化は
石炭抜きに語ることができないからね。
(↑ なぜか上から目線)


問題をつくった方、ナイスセンス!!


・・ちなみにこの問題。

中学生が作ったカードを見て
問いに答えなさいっていうもの。




出題者さん

もしかして
炭鉄港カード集めてた系?

 

 最後のごあいさつ


(・・お礼にいかなきゃ)


岩見沢に来るまでは

おしゃれ女子として
ネイルとパンケーキに
没頭していたわたし。
 
01.png
そんなわたしを
新たな世界へ
導いてくれたのが

第1話に登場し
この旅のきっかけをくれた

「炭鉱の記憶」事業団の北口さんだ。



・・・ 一年前とは違う、

一皮むけた
わたしを見てほしい(照)。

そして
同じ炭鉄港女子として
もっといろんなことをお話したい。


北口さんなら
まだわたしが知らない
とっておきを知っているはず。


夏休み明けの
登校初日のような


妙なドキドキを抑えつつ
北口さんが待つ
事務所ドアの前に立ったわたし。




のだが、


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う~ん。
おかしい。


入口から覗いてみると

そこに立っているのは北口さんじゃなく
知らないオジ様・・(怪)


そしてどういうわけか
ニッコニコで
私に向かい
手を振ってくるのである。
 

 レジェンド

??「君がてつこちゃんかぁ!
・・やっと会えたね。」

 
03.jpg


 
男性の後ろには
クスクスと笑う北口さんの姿。



わたし「???」


北口さん「てつこちゃん。紹介するね。」

「こちら、うちの理事長の吉岡です。」

「驚かせたくて内緒にしちゃった♪」


 
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吉岡宏高(1963~)

三笠生まれの幌内育ち。
父は北炭幌内炭鉱の事務職員。

福島大学経済学部卒業後、

たくぎん総合研究所主任研究員を経て
まちづくりコーディネータとして独立。

2004年からは
札幌国際大学で教鞭を振るい

2007年には
NPO法人炭鉱の記憶推進事業団を設立。

現在は夕張市石炭博物館館長を務める。




北口さん「先日、てつこちゃんが夕張の
博物館に来てくれたとき、
吉岡とは会えなかったんだよね。」

「今日はどうしても会って欲しくて。」


(あっ!石炭博物館で長澤さんが言ってた
会って欲しいヒトって、この方だったんだ。)



吉岡さん「はじめまして、てつこちゃん。
ブログ見てずっと応援してたよ!」


「よっ!炭鉄港女子!」


(笑! 恥ずかしぃ・・)


自分なんぞがおいそれと
挨拶できない肩書きの
大先生であるのだが


この時は全く理解しておらず(笑)

「ものすごく詳しいおじさま」
という程度の認識のもと

慣れ慣れしく
あれこれ質問するわたし。



吉岡理事長は

生まれ育った幌内の話から
学生時代に制覇した道内炭鉱のこと、
90年代から始めた市民活動の経緯など

素人の私にも分かりやすく
ご説明いただきました。
 
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 炭鉱の記憶

印象に残った理事長のお話。

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本州は1000年以上の歴史があるけどね。

北海道の場合は
本格的な近代開拓となると
いいとこ、ここ130年くらい。


知ってのとおり
炭鉱にはじまって絶頂を迎えた
北海道だけど

僅かな期間で
一気に頂上から
どん底まで駆け抜けたわけだ。

つまり、

今かろうじて残っている
立坑やズリ山なんかの遺構は

古い歴史教科書の話じゃなく、
つい最近の出来事。


大きな台風が過ぎ去った直後と
見てもいいかもしれない。


目の前を通り過ぎた
その教訓をどう活かすのか。


それを考えて、行動に移すのが
ぼくら事業団なんだ。


成長・拡大を続ける社会が終わり

これから日本は誰も経験したことのない
凝縮・閉塞社会に向かうだろう。


でも我々は
高齢化や人口減少、産業空洞化を
すでに先取りで経験したわけだ。


過去に何があったのかを
直視し、

その貴重な教訓を活かすことができれば、

地域は
市民の手で蘇らせることができる。


その活動こそが炭鉱の記憶であり、

一つの答えとして
「炭鉄港」が生まれたんだ。


 

 終わりなき旅


どうしてここに道路が作られたのか?


こんなところになぜ橋梁が?


あの役場庁舎はなんであの場所に・・。

・・



この旅を通して


これまで
何気なく見えていた風景にも


忘れられている記憶や
歴史があったんじゃないか。


自然にそう思う
癖がつくようになった。


そして
疑問に思ったことを
調べるようになると


当たり前の景色にも
そこには
自分の知らないストーリーが
眠っていることを知った




もっと見たい。


もっと知りたい。


もっともっと新しい発見をしたい!



吉岡理事長と北口さんに
そう伝えると、




「?!」

 
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吉岡理事長「そう言ってくれると思ってさ。」


わたし「えっ?!」


笑いながらヘルメットを
被せてくれる理事長。


炭鉱マンが実際に使っていた
ヘルメットとのことだ。


理事長 「てつこちゃんが知らない
炭鉄港の手がかりは、まだまだ
たくさん残っているんだよ。」



「行こうじゃないか。
次のストーリーを探しに!」






(おわり)
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1年間のご拝読
誠にありがとうございました!


ときに泣き、

ときに笑って、


炭鉄港の魅力にとりつかれた
女性「てつこ」。



彼女が見たものとは
ただの廃墟だったのでしょうか。

それとも・・・

 
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