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【空知移住者インタビュー/滝川市】ゼロから始めるワイナリー

空知に移住した方々にお会いして、移住までの経緯や思い、移住先でのリアルな暮らしの様子などをインタビューし、移住を検討している方に空知の魅力を知ってもらう「空知移住者インタビュー」!
第5回目に突入です!

今回は滝川市在住で、2016年からワイン用ブドウの栽培を始め、2023年にワイナリーを設立した高橋 孝輔(たかはし こうすけ)さんと、ご両親の満(みつる)さん・悦子(えつこ)さんにインタビュー。

高橋さんご一家が滝川市に移り住むまでの経緯に加え、現在の生活についてご紹介します!

転勤を重ねる中で生まれた思い

高橋さんご一家は揃って東京生まれ・東京育ち。

満さん(お父さん)はエンジニアの仕事に就いており、全国各地の工場やプラントなどを建設するため、東京に家を持ちながら岐阜県や秋田県、青森県などに家族とともに転勤した経験があります。

孝輔さんも幼稚園まではご両親と一緒に各地に移り住んでいましたが、小学校からは実家のある東京で過ごしました。

そんな高橋さんご一家ですが、実は北海道千歳市に1年間だけ住んでいた時期がありました。

その間、休日を利用して道内各地を旅行する中で「北海道で暮らしたい」という想いが生じ、移住・定住が全国的に盛んになったことも相まって「定年後は北海道に移住しよう」と思い立つに至りました。
暑がりやの悦子さん、スギ花粉症に悩む満さんにとって、北海道の環境は「快適そのもの」だったとか。
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千歳にいた頃に家族4人で訪れた赤レンガ庁舎(旧北海道庁舎)前にて
定年を前に道内各地で移住体験をしたものの、滝川市江部乙町を移住先に選んだ決め手は、悦子さんが菜の花畑や丘陵地から見下ろす石狩平野の景観に魅了されたこと。
市の移住・定住担当職員の方も丁寧に対応してくれて助かったといいます。
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グライダーから見下ろす滝川市江部乙町の菜の花畑と丘陵地
ご両親が移住された数年後に、孝輔さんも同市に移住。
彼は、東京で生まれ育ちながらも地方での暮らしに興味があったんだとか。また、全く知識や経験がないからこそ、漠然とした「農業に携わりたい」という思いもあり、北海道にやってくることになります。

しかし、移住する際には不安や苦労もあったようです。

移住への不安と就農の厳しさを感じるも

大都市から地方への移住ということで、「地域に溶け込めるかどうかが少し不安だった」と満さんは語ります。
加えて、車社会であること、大雪が降ることなど、東京とは生活環境が大きく異なるので若干の不安は感じていたようです。
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冬の滝川市の様子(滝川市役所展望ロビーから)
また、孝輔さんも農業を志して北海道にやってきたものの、多くの農家さんから「ゼロから農業を始めるのは厳しい」と言われたことで一度は就農を断念し、測量の仕事に就くことになります。

しかし、数年経つと、道内でワイン用ブドウの栽培と醸造が盛んになり、ヴィンヤードやワイナリーが増えてきたことをきっかけに、ワイン造りに希望を見出します。

彼は早速、ブドウ栽培・醸造の勉強をするために研修先を探し始め、花野菜技術センター所長の仲介で2015年から2年間、余市町の農場「平川ファーム」で働きつつ、北海道庁や空知総合振興局、農業試験場などが主催する研修にも参加し、スキルアップに励みました。

その後、孝輔さんは江部乙町でワインを造ることを決意し、試行錯誤しながらもご両親とともにブドウ栽培を始めたのです。
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広大な農地でブドウの苗木を定植する孝輔さん
満さんはといえば、地域を知り人と繋がるために積極的に多くの団体や農業者と交流し、農業振興や観光振興に取り組んで地元の方々と仲良しに。
「今では大雪も結構楽しみながら除雪しているよ」と笑顔が弾けます。

江部乙町での暮らしは

移住から15年近く経った今、満さんは「まちの景観が良くて暮らしやすい。毎日のように観光地に来ているような気分」と話してくれました。

「近隣の人と交流できる機会も多く、野菜は新鮮で美味しく、家庭菜園も楽しめる」と、このまちがとっても気に入っているご様子。
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知り合いの農家で野菜の栽培を手伝う満さん
また、「滝川は都会と田舎の中間のような位置にあるので、どこへ行くにもアクセスしやすい。買い物にも困ることはないし、飲食店なども近くにあって何をするにも丁度良い立地の良さがある。」と孝輔さん。

確かに、滝川市は空知管内の交通の要所。高速道路を利用すれば札幌圏には1時間、旭川圏には30分ほどでアクセスできるので、気軽に都市圏までお出かけができますよね。

滝川市で就農を志す人たちに向けて

「今はとにかくブドウ栽培に全力を傾けていこうと思う」と意気込みを語る孝輔さん。

ブドウの苗木を植えてから8年が過ぎ、収穫量も多くなる中で、2023年8月には醸造所を建ててワイナリー経営は軌道に乗ってきました。
続けて「ブドウ栽培でこの地に参入してくる若い人が増えたら嬉しいし、そんな人達に対して醸造所の共同利用などを提案し、ある種の『受け皿』になれたらいいな」と言います。

また、満さんも新規就農者を受け入れて農村の若返りを図り、果樹地帯の復興に寄与したいとのこと。
実は、「手持ちの資金が少ないであろう新規就農希望者の生活費の足しになれば」と、植えた年に収穫できる野菜を自ら栽培しては様々なデータを蓄えていて、栽培すべき作物や無理のない栽培面積などを提案して支えたいのだとか。
まだ実際にデータは活用されていないそうですが、いつか来る新規就農者の大きな支えになるかもしれませんね。
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ぶどう収穫の合間に休憩して情報交換する地元ボランティアの方々
中空知初のワイナリー「えべおつWein」が立ち上がりワイン振興が盛り上がってきた滝川市
農業やワインに興味のある方や、このまちの暮らしに魅力を感じた方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか!

■えべおつWein
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https://www.facebook.com/ebeotsu.Wein/

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