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空知グルメ紀行【コーヒーとお食事 舘】

来年9月で創業40周年を迎えるコーヒーとお食事「舘」。自慢のメニューがカツカレー(サラダと小鉢付き800円、税込)。ルーにこだわりを持つ逸品だ。

「今は圧力鍋で約1日でできるが、昔はルーを作るのに丸3日かかった。ルーは1回に約100㌔の量を作り、約1カ月でなくなる。タマネギやニンジン、ジャガイモなどの地場野菜に神内ファームの和牛をトロトロになるまで煮込み、今度はそれをミキサーにかけて完成させる」と、店主の尾花一成さんは説明する。

米は浦臼町産ななつぼしを使用。「野菜は農家の人が毎日持ってきてくれる。舘のために畑を作ってくれる人も。地元の人に支えられてこの店がある」と尾花さんは感謝する。「大きなフライパンで小麦粉とカレー粉を1時間以上かけてルーを作る。カレーにはこだわっている」と話し「今年はお盆にルーが無くなり、店を1日休んでルーを作った」と笑う。

野菜と神内ファームの和牛が溶け込んだルーは、はじめは野菜の甘さが口に広がり、そのあとスパイスの効いた辛さに包まれる。サクサクとしたカツは柔らかく、ご飯が進む。女性でもぺろりと食べられる量だ。

これまでルーは尾花さん1人で作っていたが、てまひまと力のいる作業のため、4年前から甥の幸広さんがルー作りを担当している。「もう78歳だし、店をやめたいんだけどやめ方が分からなくて困っている」と話すと、隣で妻の和子さんが優しく微笑んだ。
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