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《そらプロ~札幌開発建設部×空知総合振興局~ 後編》

「地域活性化に向けて自分たちで何か企画してみたい!」
そんな若手職員の思いから始まったのが、若手企画力向上プロジェクト(通称:そらプロ)です。
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このプロジェクトは、国土交通省札幌開発建設部(以下「札建」)と空知総合振興局(以下「振興局」)の若手職員が中心となって立ち上げたもので、日頃の業務ではなかなか経験する機会の少ない「企画づくり」に挑戦しながら、若手同士の交流やネットワークづくりを進めることを目的に活動しています。
本記事では、前編・後編の2回に分けて、プロジェクト立ち上げの背景からツアーの実施までをお届けします。
後編となる今回は、ツアー案の検討から実施、そして振り返りまでの様子をお届けします。

前編:
《そらプロ~札幌開発建設部×空知総合振興局~ 前編》

 

【あらすじ】

前編では、「そらプロ」始動のきっかけや、月形町の樺戸博物館を訪問した様子、上砂川町役場を訪問して町長と意見交換を行った様子を紹介しました。
その後、プロジェクトでは「インフラ」や「地域の歴史」をテーマに、これらを組み合わせたツアー形式の企画について検討を進め、その中で着目したのが、「地域共創インフラツアー」という考え方です。
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「地域共創インフラツアー」は、札幌開発建設部が管理するインフラを観光資源として活用し、地域の成り立ちや歴史と結び付けて伝える取組です。
単に施設を見学するだけでなく、地域がどのように発展してきたのかをストーリーとして体験できる点に魅力を感じ、企画の具体化を進めました。

【訪問先の選定】

私たちはツアー行程を検討するにあたり、これまで学んできた地域の歴史や、実際に現地を訪れて得た気づきをできる限り盛り込みたいと考えました。
そこで、「北海道の発展を支えてきた基盤インフラ(河川・道路・農業・産業)を、空知を軸に体験的に学ぶ」ことをツアーの目的に設定し、その目的に沿って次のとおり訪問先の検討を進めました。
【月形樺戸博物館】
1箇所目は、北海道開拓の出発点を学ぶことができる月形樺戸博物館を選定しました。
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明治期、樺戸集治監では囚人たちを労働力として周辺地域の開拓が進められました。
峰延道路や上川道路などの道路開削も行われ、未開の原野を切り拓いて人力で道路を造成する取り組みが進みました。

これらの作業は、開拓地と外部を結ぶ交通基盤となり、地域住民の移動や物資輸送を支える重要な役割を果たしました。
また、食料確保のための農業開拓も進められ、水田の試作や灌漑用水路の整備など、農業基盤づくりも始まりました。
さらに、河川や水路の整備も進められ、これらの取り組みが後の地域発展の基礎となりました。
月形樺戸博物館では、こうした北海道開拓とインフラ整備の始まりを学ぶことができます。
【北海幹線用水路(美唄)】
2箇所目は、開拓の進展とともに広がった農業を支えるインフラとして、北海幹線用水路(美唄市)を選定しました。
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北海幹線用水路は、石狩川から取水した水を空知平野へ送り、広大な水田地帯を潤す農業用水路であり、空知の農業を約100年にわたり支えてきた、延長約80kmに及ぶ日本最大級の農業用水路です。
大正期に整備されたこの水路は、大型建設機械がほとんどない時代に、ツルハシやモッコ(荷物運搬のための網状の道具)などを用いた人力による重労働によって、わずか4年4か月という短期間で完成しました。
その歴史的・技術的価値は高く評価され、「北海道遺産」にも選定されています。
現地で実際に水路を見ることで、空知の農業を支える水利インフラの規模や役割を体感することができます。
【かみすながわ炭鉱館】
3箇所目は、空知地域の発展を支えた産業として石炭産業に着目し、かみすながわ炭鉱館を選定しました。
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空知は日本有数の炭鉱地帯として発展し、石炭は北海道のみならず日本の産業や社会を支える重要なエネルギー資源となりました。
炭鉱の開発が進むにつれて、石炭を輸送するための鉄道や道路などの輸送インフラが整備されるとともに、炭鉱で働く人々の生活を支える住宅や商業施設など、炭鉱を中心としたまちづくりも進められました。
かみすながわ炭鉱館では、採炭の仕組みや炭鉱技術、当時の暮らしなどを通じて、石炭産業の発展とそれを支えたインフラとの関係を学ぶことができます。
このように、本ツアーでは「開拓(道路・河川整備)」から「農業(水利インフラ)」、さらに「産業(炭鉱と輸送インフラ)」へと続く歴史の流れに沿って訪問することで、北海道の発展を支えてきたインフラの役割と地域の成り立ちを総合的に理解できる構成としています。
【ダムや他のインフラは……?】
次回以降のお楽しみです。(笑)

【模擬ツアーをやってみて】

今回は、自分たちで企画したツアーを模擬ツアーとして実施することとし、上司を招いて体験していただきました。
参加した上司からは、「各地点について十分に学習した上で分かりやすく説明されており、大変感心した」、「業務の合間を縫って準備を重ねてきたことがよく伝わってきた」といった言葉をいただきました。
また、「普段の業務では気づきにくい地域の魅力や新たな見どころを再発見できた」、「若い世代が地域の歴史やインフラに関心を持ち、主体的に掘り下げていることを心強く感じた」といった感想も寄せられました。
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特に反響が大きかったのが、「普段は立ち入ることができない北海幹線用水路を歩いてみよう」という企画です。
営農期には水が流れているため奥まで進むことはできませんが、ツアーを実施した時期は農業用水の使用がないため、岩見沢農業事務所の許可を得て、普段は入れない場所まで近づくことができました。
参加した上司からは、北海幹線用水路の雄大さや構造を間近で見ることができる点が好評で、ツアーの中でも特に盛り上がる場面となりました。

【当日を振り返って】

良かったポイントとしては、メンバー同士でこまめに連絡を取り合いながら役割分担を行い、各施設での説明や移動をスムーズに進めることができたことです。
ツアーでは時間配分が重要になりますが、周囲と声を掛け合いながら柔軟に調整することで、全体の行程を大きく崩すことなく進行することができました。
また、事前に地域の歴史やインフラについて学習を重ねていたことで、現地での説明にも自信を持って臨むことができ、参加者からの質問にもその場で対応できた点も良かったと感じています。
実際に現地を訪れながら説明することで、資料だけでは伝わりにくいインフラのスケールや地域の成り立ちを体感的に伝えることができました。
一方で、今後改善が必要なポイントとしては、ガイドを行う際の話し方や説明の組み立て方など、より聞き手に伝わりやすくする工夫が必要であると感じました。
また、各施設の説明が個別の紹介にとどまりがちであったため、「開拓・農業・産業」というツアー全体のストーリーとのつながりを、より分かりやすく示すことも課題であったと感じています。
今回の模擬ツアーを通じて多くの気づきや課題を得ることができたため、この振り返りを今後の取組につなげ、より分かりやすく魅力あるツアーづくりに生かしていきたいと考えています。

【報告会】

報告会はとても和やかな雰囲気で行われ、メンバーの発表に幹部からコメントが入り、笑いに溢れる場面もありました。
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活動がスタートしたときのことから、これまでの取組や活動を通して感じたことまで、今まで作成してきた資料や撮影した動画を用いながら、自分たちの言葉で報告することができました。
また、幹部からは「実際にやってみて、どんなことが大変だった?」「このプロジェクトは続けていってほしいと思う?」といった質問もあり、メンバーが率直な思いや意見を伝えるなど、予定時間が足りなくなるほど充実した時間となりました。
若手職員が幹部クラスと直接意見交換できるのも、この企画の醍醐味の一つだと感じました。

【まとめ】

インフラは私たちの生活には欠かせない存在であり、空知の歴史とも深く結びついています。
今回の取組を通じて強く感じたのは、地域の魅力や課題は、資料やインターネットの情報だけでは本当の意味で伝わらないということです。
実際に現地に足を運び、人の話を聞き、自分たちの言葉で理解し直すことで、初めて「伝えられるストーリー」になるのだと感じました。
『そらプロ』を通じて、部署や立場の異なる職員同士が意見を出し合い、一つの企画を形にしていく経験は、大きな刺激となりました。
この取組を通して得た学びやつながりを、これからの業務や地域づくりに生かしていきたいと思います。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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