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夕張の新たな未来をつくるカフェ ~くるみ食堂~

旅先や出張先でふらっと寄ったランチで、思いもかけない名店に出会えると、何だかとても幸せな気持ちになります。
陽射しは春めいてきたものの、まだまだ雪深い3月の初め、夕張市に出かけた際、そんな素敵なお店に出会えました♪

夕張といえば…昨年6月、旬を迎えた夕張メロンのハウス見学にお邪魔したことがありました。
この時の取材でお世話になった夕張市農業協同組合や夕張メロンドームにほど近い住宅街に、くるみ食堂は静かにたたずんでいます。
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大きな三角屋根が特徴のかわいい建物。古民家をリノベーションしたのだそうです。

あの人のオススメなら ☆ きっとおいしい!!         

実はこのカフェを薦めてくださったのは、夕張市美術館元館長の上木和正さん。そう、炭鉱絵画の魅力を語ってくださったあの方です。
夕張を知り尽くした上木さんが「ようやく開店できたよね~」と感慨深げにお話しされていたのが印象的で、調べてみたらネットの評判も上々。せっかく夕張に来たんだからとランチに立ち寄ってみました。
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開店時間は正午。少し早めに到着したので、外観を見て回ると、古民家の改装というほど古くはありませんが、玄関のタイルなどに建物の年代を感じます。ちなみに、リノベーションの模様はyoutubeで公開されていますので、ぜひご覧ください。
春の陽射しの中、車で待つこと10分。間もなく正午だから、そろそろ入口に行ってみようかと思っていたら…100メートルほど離れた家から、ゆっくり、ゆっくり歩いてくるおじいさん、おばあさんが見えました。
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なんとなく、あのお二人もこのくるみ食堂でランチかな…と思いつつ、先に入店。
そしてしばらくすると、やっぱりご来店!ビンゴでしたね。
後で店主ご夫妻から伺ったのですが、週1くらいで、ランチを食べに来るのを楽しみにしているご夫婦だそうです。お二人にとって、お楽しみのハレの日ランチだったんですね。

ふるさと夕張のため、夕張の新たな未来をつくるための挑戦

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お店を切り盛りするのは、寺江浩平さん・あかねさんご夫妻。やさしい笑顔がとっても素敵です。
人口減少が進むふるさと夕張市。飲食店も少しずつ数を減らしている中で、これ以上、街の灯りをなくしたくない…という想いで、空き家を活用して、古民家カフェ&バルをつくるプロジェクトをスタートしたそうです。
低予算で開業を目指すため、クラウドファンディングで資金調達するなど工夫しながら、地元の有志を募り、自分たちの手で準備に取り組み、そして昨年11月20日、くるみ食堂がついにオープン。
ちなみに、くるみ食堂の店名は、「みんなでつくる美味しい未来からとっているそうです。
お話を伺って、改めて「ようやく開店できたよね~。」という上木さんの言葉の感慨深さが心にしみました。

懐かしさがただよう店内

店内は、元の家のガラスブロックやコンクリートブロック、梁などをそのまま活かしつつ、足踏みミシンのテーブルや学校の椅子を再利用するなど、何だか懐かしいような、落ち着いた雰囲気です。
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後から入店されたおじいちゃん、おばあちゃんも、この懐かしい雰囲気と、温かい寺江さんご夫妻のファンなんだろうなぁと想像しちゃいます。まるで、お孫さんの家に来るように、楽しくお話しされながらスローなランチを楽しんでいるご様子が印象的でした。

そして気になるメニューは

メニューは、ご飯もの、やきそば、パスタ系と幅が広く、北海道や奥様の出身地・青森の食材を使った料理の数々。そしてデザートもとてもおいしそうで気になります。
まず注文したのは、「くるみ風やきそば ~小鉢、みそ汁つき~」と、「サルシッチャとキャベツ、長芋のペペロンチーノ」です。
くるみ風ってどんな焼きそば?楽しみに待っていたら、こんなにかわいい盛り付けで出てきました!スープカレーのような深めの器です。実は上から見てコンパクトに配置してくれる盛り方のほうが、Instagramの写真用には撮りやすいんですよね。
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なかなかしっかり味のついたあんかけ焼きそばで、温かいまま最後まで食べられました。
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しかも、お好みで山椒と自家製ラー油をかけて味変が楽しめます。これが絶妙のアシストで、単調になりがちなあんかけの味にアクセントがついて、気が付くとペロッと完食です。

そういえば、以前いろいろ調べていたら、空知エリアにはあんかけ焼きそばの有名な店がいくつかあったことを知りました。夕張でも病院の食堂やホテルのあんかけ焼きそばが懐かしいという声がありました。もしかしたら寒い冬に体を温めるためとか、かつての炭鉱労働者が好んで食べていたとか、ソウルフード的なルーツがあるのかも。きっとご主人の舌にも、そんな夕張の懐かしい味の記憶が残っているのかもしれませんね。

そしてこちらは、サルシッチャとキャベツ、長芋のペペロンチーノ。
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サルシッチャって、ソーセージのように腸詰めしたお肉のことなのですが、このパスタには腸詰めじゃない、ひき肉のかたまりのようなお肉がごろごろ入っていて、とってもジューシー。キャベツや長芋との相性も抜群です。
これ、白ワインに絶対合う…!
自家製パンはほのかな甘みがやさしい味。サラダのドレッシングは、その日の気まぐれでセレクトしているのだそうですが、この日はレモンとハチミツのドレッシングでした。もちろん手作り。甘さと酸味が絶妙なバランスで、野菜の味が引き立ちます。

別腹でデザートもいきましょう

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やっぱりデザートが気になる…ので、キャロットケーキと、バレンタインデー前後の期間限定という言葉に惹かれ、チョコレートのテリーヌとパッションフルーツのマカロンを追加しました。

キャロットケーキに使用しているのは浦幌町産のエコファームの人参!地元では道の駅でしか売っていない希少な人参で、甘みが多いとのこと。地元・サワダ珈琲店の豆を使ったコーヒーとともにいただきました。
別腹のつもりが、運ばれてきたケーキは結構大きなフルサイズ!これだけ食べてもランチになるくらいで、しっかりにんじんも主張しています。人参の甘みがケーキにマッチしていて、いわゆる人参臭さはありません。とかく罪深い!?デザートですが、人参が入っているだけで「ベータカロチンも豊富だし、カラダにもいいからね!」と、なんだか食べすぎを正当化できちゃう♪これは違う意味で罪深いデザートでした。

一方、チョコレートのテリーヌ。ダークブラウンのケーキに生クリームの白、それとラズベリーかな、ソースとマカロンの濃淡に至るまで、色のコントラストが鮮やかです。盛り付けもおしゃれで、食べるのがもったいないくらい。
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実は…運ばれてきた時、このずっしり感を見て、結構大きいな、食べきれるかな…と思ったのですが、口にいれると何とも滑らかで、とにかくおいしい!甘さの中にほんのりほろ苦さも香ります。コーヒーをおともにフォークが進む進む。「カカオポリフェノールも豊富だし、期間限定だしね!」と、これまた食べすぎを正当化しちゃう、罪深いデザートでした。

…こんな風に、おなかもココロも大満足!のランチ時には雪深かった夕張も、今、春を迎えています。
また新しいメニュー、登場したかな。
あのおじいさんとおばあさんは、今週もランチ楽しんでいるかしら。
未来へと歩みを進めつつ、どこか懐かしい、くるみ食堂。
次はバル営業日におじゃましてみたいですね。

くるみ食堂
〒068-0751 夕張市沼ノ沢826番地48
電話番号 0123-57-7727
営業時間やメニューなど詳しくは、フェイスブックでご確認ください。

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