札幌から日帰りで楽しめる、北海道 そらち・デ・ビュー

「北海道空知」をもっと楽しむ情報サイト|そらち・デ・ビュー 「北海道空知」をもっと楽しむ情報サイト|そらち・デ・ビュー

ぶらり炭鉄港WEB版【Vol.3 採炭最盛期のスケールを感じる】

皆さんこんにちは。風邪引いてませんか?

では、早速第3回目「採炭最盛期のスケールを感じる」をお届けします。

今回は、赤平市を中心に採炭最盛期を妄想する内容になってます!

*****

前回までのぶらりの様子はこちら。
*****


今回も大倉さんとぶらつきます!

DSC06047.JPG
炭鉱女子 大倉 加奈 さんで~す。
・炭鉱が好きで赤平に移住
・A型
・スニーカー:ニューバランス
・イタリアへの旅行経験アリ
・彼氏募集中

――おはようございます。今日は炭鉄港日和ですか?

(大倉さん)
炭鉄港日和の定義が分かりませんが、曇っていることは確かです。


――天気予報は晴れだったんですけどね~ 女心となんちゃらの空ですね。

(大倉さん)
そ~ですね~


――それでは、早速行ってみましょ~
 

誰にでもある癖!収集癖!

――大倉さんは何か集めてるモノはありますか?

(大倉さん)
特にないですね~


――じゃあ、ドラゴンボールを7個集めたら誰を生き返らせますか?

(大倉さん)
ん~難しいですね~ やっぱり武四郎かな!


――武四郎!?

(大倉さん)
松浦武四郎を知らない!?!?松浦武四郎は空知川の露頭炭層を発見した人!発見した時の感想を聞いてみたい!
現在の露頭炭層の様子はこちらです↓↓
DSC06065.JPG
もう少し、寒くなって木の葉が落ちないと全体像がはっきり見えませんね。

ちなみに、対岸から見ると…
%E9%9C%B2%E9%A0%AD%E7%82%AD%E2%91%A0.jpg
圧巻ですね!

話は変わりますが、ここ赤平の4大炭鉱を全部言えますか??


――住友赤平炭鉱、北炭赤間炭鉱、茂尻炭鉱、豊里炭鉱です。

(大倉さん)
さすが、炭鉄港推進協議会事務局職員ですね。それでは、この4つの炭鉱で現在も残る共通のモノはなんでしょう?


――わかんない。

(大倉さん)
正解は、碑です! 記念碑ってなんとなく、偉業達成を記念したり、大きな災害や事件の記憶を風化させないために建てられる歴史的に重要な出来事ってイメージがないですか?


――ありますね~

(大倉さん)
そういうことなんですよ!何もないところに炭鉱ができ、そこに街ができて人々のくらしが営まれる。閉山と共に街が衰退していく…赤平に4つの碑があると言うことは、4つの炭鉱が赤平の歴史にとって重要なモノだったということが見て取れるでしょ!?


――なるほど!では、早速4つの碑を巡ってみましょう!

住友赤平炭鉱(赤平ガイダンス施設の敷地内)
DSC06053.JPG
北炭赤間炭鉱(赤平駅前を直進し空知川を渡ったら1つめの交差点)
DSC06050.JPG
茂尻炭鉱(国道38号線を挟んで茂尻本町公園の反対側)
DSC06045.JPG
豊里炭鉱(豊里ふるさと会館の敷地内)
DSC06007.JPG
(大倉さん)
それぞれの炭鉱には、語り尽くせないほど歴史があると思いますが、炭鉱女子への第1歩としては、赤平に4つの炭鉱があったということを覚えておいてください!!

 

三角形で飯を食った男!

次は、赤平市の豊里ふるさと会館へ向かいます!ここは豊里炭鉱に関するジオラマや資料が展示されています。

(大倉さん)
本日、ご案内いただくのは、赤平市宮下町内会会長で豊里炭鉱と関係の深い千葉春雄さんです。
DSC06038.JPG
――豊里ふるさと会館の入り口に、『パノラマ豊里資料室を見学の方は、ご連絡ください』と張り紙があったのですが、いつ電話しても大丈夫なんですか?

《千葉さん》
大丈夫ですよ。家に居ない時は繋がりませんけど(笑)今日は鍵を開けますので、中を見ていってください。


――ありがとうございます。
かなりスケールの大きいジオラマですね~しかも光るタイプですね!
DSC06014.JPG
《千葉さん》
豊里炭鉱が稼働していた当時のジオラマです。今我々がいるのは、ズリ山の麓あたりですよ。
上に飾ってある写真は、昭和13年にズリ山の頂上から撮った写真です。
DSC06032.JPG
――今から80年前ですか~今の景色とはだいぶ違いますね~
千葉さんは、豊里炭鉱で働いていたんですか??


《千葉さん》
私は、この炭鉱で測量士として働いていましたよ。
この採炭計画図は私が測量して書いたんですよ。
DSC06022.JPG
昔は、今みたいなパソコンはもちろんなかったから、全部定規を使って書いていたんです。
細い線を書きたい時は、万年筆の先端を磨いて使うのですが、鋭く磨ぎすぎて紙が切れてしまうことがあるんですよ。


――これ手書きなんですか!?!?
精密な機械がない時代に、どうやって測量したんですか??


《千葉さん》
「クリノメーター」と「三角関数の真数表」を使って地中を測っていたんです。


※クリノメーター:地質調査において、地層面・断層面などの走向・傾斜を測る道具
DSC06027.JPG
DSC06029.JPG
だから私は、自分のことを紹介する時に「三角形で飯を食っていた」と言うんです(笑)

――めちゃくちゃカッコいいじゃないですか~!!

この後も大変貴重で興味深いお話をして頂いたのですが、情報量が多すぎて掲載しきれませんので、興味のある方は是非豊里ふるさと会館までお越し下さい!!

■当時の図面を使った遊び方

(大倉さん)
炭鉱が閉山になると、炭鉱の周りの景色ってがらっと変わってしまうんです。
住友赤平の立坑櫓のように残っているものもあれば、完全に無くなったり、今に溶け込んでいるモノもあるんですよ!


――今に溶け込んで…。

(大倉さん)
さっき千葉さんが書いた採炭計画図の中に「扇風機」って書いてあったのわかりました?
DSC06033.jpg
DSC06034%20(1).jpg
――ありますね~(写真が分かりずらくてすいません。)

(大倉さん)
「扇風機」って坑道内の空気の排気のために使われていたんですけど、これを今の地図と照らし合わせて探したいと思います!


――了解!

【市内豊栄町公園へ移動】

(大倉さん)
たぶんこの辺ですね。…あった!
DSC06043.jpg
――ただの公園の土手ですよ…

(大倉さん)
何言ってんの!?この歪な形…何かを覆い隠す土…完全に公園と同化してるけど、ここで間違いないでしょう!!
私の推測では、「扇風機を除去するにはお金がかかる」→「とりあえず土をかぶせる」→「時間が経つ」→「丘のようになる」→「公園の丘になる」ってところでしょうか!?
DSC06040.jpg
――探偵みたいで面白いですね!
 

五感をフル活用!全身で浴びる立坑櫓!

――大倉さんが一番好きな炭鉱遺産は?

(大倉さん)
なんと言っても日本遺産構成文化財の「住友赤平炭鉱立坑櫓」です!
今は「赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設」として内部を見られるところがポイントです!
DSC06059.JPG
――どういった所が好きなんですか?

(大倉さん)
スケールの大きさと安定感!!


――後半はちょっと何言ってるか分からないんですけど。炭鉱女子になりたい人にもオススメですか?

(大倉さん)
「1日しか休みない…けど、炭鉱女子になりたい…。まずは何処に行けばいいの??」なんていう人には絶対オススメです!

立坑櫓の内部は、短時間で、しかも全身で炭鉱を浴びることができますよ!


――なるほどですね~ 写真も好きな大倉さんのお気に入りの住友赤平炭鉱立坑櫓の写真を見せてください。

(大倉さん)
ほれ。
%E8%B5%A4%E5%B9%B3DSC_0193.JPG
okura%20(4).JPG
190120%20(15).JPG
――冬のライトアップの写真は特に素敵ですね~

■現場から職場へ

赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設でガイドをしているのが三上秀雄さんです!
DSC05929.JPG
――三上さんは実際にここで採炭していたんですか??

《三上さん》
私は炭鉱夫と保安員として昭和44年から平成6年までの25年間働いていました。


――ガイドをすることになったということは、この立坑が現場から職場になったということですね!
ガイドをしていて大変な事は何ですか??
DSC05966.JPG
《三上さん》
小学生のガイドツアーが増えているんですけど、分かりやすく伝えることがなかなか難しいところですね~


――専門用語が多いですからね~

《三上さん》
実は室内の展示室に私の名前が書かれているモノが2つあるんですよ~ 一つは簡単ですが、もう一つはなかなか見つけるのが難しいですよ!
DSC05967.JPG
DSC05968.jpg
――これは探すのが難しいですね~。まず、文字が何に彫られているかを考えないとだめですね!
「ウォーリーを探せ」ならぬ「ミッカミーを探せ」ですね!


ヒントは、何かの道具の「柄」です。

■缶バッジ?缶バッチ?

(大倉さん)
ガイダンス施設の中には、カフェや炭鉱グッズがあるので、立坑の見学が終わったら寄ってみてください!
たまに私も接客してます!


――缶バッジ?缶バッチ?マニアにはたまりませんね!
DSC05932.JPG
DSC05933.JPG
■デザイナー風に言うとインダストリアルネイチャー

(大倉さん)
ところで、私が炭鉱にハマったきっかけを知ってますか?


――知ってる訳ないじゃないですか(怒)

(大倉さん)
小樽で出会った廃墟の真ん中に1本の木が伸びている風景を目の当たりにして、心が奪われました。
デザイナー風に言うと「インダストリアルネイチャー」って感じ!!
日本語で言うと「産業的自然」。簡単に言うと「廃墟」と「自然」の融合ってところです。


――その写真見せて下さい。

(大倉さん)
いいよ~。
DSC_0103.JPG
炭鉱を楽しむ一つのファクターとして「インダストリアルネイチャー」から入るのもアリだと思います!!
しかも、ここ住友赤平炭鉱は「インダストリアルネイチャー」の宝庫なんですよ!!
%E8%B5%A4%E5%B9%B3DSC_0030%20(2)(1).JPG
DSC05952.JPG
(大倉さん)
カメラが好きな女子は絶対お気に入りの一枚に出会えると思いますよ!!

 

あとがき

――2回目の取材ありがとうございました。

(大倉さん)
こちらこそ~。豊里ふるさと会館は、暖かい靴下で行かないと足が凍傷になりますね。


――確かに冷えましたね。千葉さんの話ホント面白かったですね!全部書けないのが残念。

(大倉さん)
全部書いたら、10週連続で記事書かないといけないですよ!?


――無理。無理。

(大倉さん)
そうですね。雪虫がめっちゃ飛んでるから帰りますか?


――ですね。

******
次回は、月形町、美唄市、岩見沢市を探索します!大倉さん最終回です。

あなたにおすすめの記事

TOPへ戻る