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【炭鉄港を支える企業たち】地域をつなぎ、人をつなぐ―一般社団法人ステイびばい ―

日本遺産「炭鉄港」は、空知の石炭、室蘭の鉄鋼、小樽の港湾が鉄道によって結びつくことで、北海道の近代化を支えた歴史を伝えるストーリーです。

その価値を未来へつないでいるもののひとつに、地域の歴史を生かし、人と人をつなぐ企業や団体の存在があります。
本シリーズ「炭鉄港を支える企業たち」では、そんな地域を支える企業・団体をご紹介します。

前回の記事はこちらからご覧ください。
【炭鉄港を支える企業たち】森林整備から始まった炭鉄港とのつながり― 岩田地崎建設株式会社

炭鉄港は、美唄にとっての武器

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そう話してくださったのは、一般社団法人ステイびばい専務理事の工藤さんです。
ステイびばいは、DMOとして、行政や事業者、地域の人たちをつなぎながら、まちの魅力を生かした観光地域づくりを進めています。

工藤さんは美唄市生まれ、美唄市育ち。現在は美唄市役所から派遣され、観光地域づくりに取り組んでいます。
終始笑顔で美唄や炭鉄港の話を語ってくださり、その表情からは、美唄への深い愛情と誇りを強く感じました。

市内には三菱美唄炭鉱竪坑櫓や美唄鉄道東明駅舎、旧栄小学校(安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄)などの「炭鉄港」構成文化財や、宮島沼、美唄焼き鳥、温泉などの魅力ある観光資源が数多くありますが、それぞれを目的に訪れて、そのまま帰ってしまう人は少なくありません。
「“来て帰るだけ”ではもったいない。せっかく来てもらったなら、市内を巡って、このまちをもっと知ってほしい。」
その思いから、点在する観光資源を線で結び、「また来たい」と思えるまちづくりを進めています。
その中で工藤さんが期待を寄せているのが炭鉄港というコンテンツです。

「自然や食に加えて、炭鉄港の物語も、美唄を巡る楽しみの一つになってほしいと思っています。」
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ステイびばいの炭鉄港コーナー

外から見た美唄が転機になった

工藤さんがDMO(※地域の観光をみんなで育て、地域経済の活性化につなげる組織)の必要性を強く感じたのは、北海道庁などへの派遣がきっかけでした。
外から美唄を見つめ直したとき、多くの魅力がありながら、それぞれが十分につながっていないことに気がつきます。

美唄へ戻るとDMOの必要性を訴えましたが、当時は理解を得ることができず、なかなか立ち上げへと動き出すことができません。

それでも、工藤さんは諦めることはせず、「いつか美唄に必要になる」との思いで、北海道大学の履修証明プログラム【デスティネーション・マネージャー育成プログラム】(※観光まちづくりリーダーを担う人を育成するプログラム)を自費で受講し、総合旅行業務取扱管理者の資格も取得。

学びを重ねた末、市長へ直接想いを伝え、一般社団法人ステイびばい設立につながりました。
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炭鉄港を「見る」から「体験する」へ

工藤さんは、炭鉱遺産は美唄にとって重要な資産だと話します。
一方で、遺産が残っているだけでは、人が訪れる観光コンテンツにはなりません。

「みんなで知恵を出し合って、体験できるものにしていかなければならない。」

その考えから、ステイびばいでは毎月2回、「炭鉄港プロジェクト会議」を開催し、行政や観光事業者、保存団体などが集まり、炭鉄港3-DAYSWeekender(※期間中(令和8年度は10/10-10/12)、各地域で集中的にイベントを実施し周遊を促進するイベント)の企画や体験プログラム、ガイド養成などについて意見を交わしながら、美唄ならではのコンテンツづくりを進めています。

昨年の炭鉄港3-DAYS Weekenderでは、「美唄メモリアルスタンプラリー」「美唄メモリアルナイト」「美唄メモリアルガイドウォーク」の3つのイベントを実施。

特に、「アルテピアッツァ美唄」、「東明駅」、「郷土史料館」の夜間特別開館、ライトアップを行う「美唄メモリアルナイト」では、東明駅での開催が熊の出現により急遽中止となるも、150名を集める人気イベントとなりました。
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昨年の炭鉄港3-DAYS Weekender「美唄メモリアルナイト」
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昨年の炭鉄港3-DAYS Weekender「美唄メモリアルガイドウォーク」

人が語るからこそ、歴史は伝わる

「ガイドの話を聞かないと8割くらい損をしていると思うんです。」

その場所で暮らした人々の思い、当時のまちの空気といった"温度感"は、人が語ることで初めて伝わります。
ガイドの話を聞くことで、歴史は知識から体験へと変わり、「また来たい」「誰かに伝えたい」という気持ちが生まれる――。工藤さんはそう考えています。

その思いから昨年度スタートしたのが「美唄地元ガイド養成講座」です。

講座の目的は、東明駅や郷土史料館など、それぞれの場所で語られている歴史をつなぎ、全体を一つのストーリーとして伝えられるガイドを育てることです。

受講生は今後、サブガイドとして実際のツアーに参加しながら経験を積み、独り立ちを目指します。工藤さんは、若い世代にもこうした活動へ加わってほしいと期待しています。
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昨年のガイド養成講座の様子

炭鉄港をつないでいるのは“人”

取材中、炭鉄港の生みの親で、日本遺産認定をけん引した故・吉岡宏高さんの話もしてくださいました。
炭鉱遺産が負の遺産として語られることもあった時代、吉岡さんは工藤さんにこう伝えたそうです。
まずは、お前が楽しめ
自分が楽しんでいなければ、その魅力は人に伝わらず、誰も一緒に取り組んではくれない。その言葉は今も工藤さんの活動の原点となっているそうです。

プロジェクト会議を開いてコンテンツをつくること、ガイドを育てること。その一つひとつの取り組みは、炭鉄港を、美唄を巡る楽しみを広げるコンテンツへ育てていくための積み重ねです。

工藤さんが冒頭で話していた「炭鉄港は、美唄にとっての武器」という言葉。
それは歴史そのものではなく、その歴史を生かそうと知恵を出し合い、人をつなぎ、未来へ届けようとする地域の力を指しているのだと感じました。
~工藤さんからメッセージ~
「炭鉄港には、負の遺産のイメージがあるかもしれませんが、実はいろんな入り口があります。歴史好き、鉄道好き、ジブリ好き(ラピュタのような、建物が古くなっていき自然と融合していく景色がところどころにある)などなど、、、
友達や家族に連れられてでもいいので、まずは1回訪れてみてください。きっとその人にとってのおもしろさがみつかるはずです。」
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一般社団法人ステイびばい
所在地:美唄市東1条南2丁目1-7
連絡先:050-1741-4683(代表電話)
公式HP:こちら

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