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【ソラチコーヒー 16杯目】 “サスティナブル”なソラチコーヒー!?

おいしいコーヒーのある日々を通じて、空知の魅力をゆる~く発信するソラチコーヒー。
大雪の連続に見舞われたこの冬でしたが、日々の生活の中でも、暖かい陽射しや歩道の雪どけに春を感じる季節となってきた、そんな空知です。
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筆者もこの冬、列車の遅れや運休により、思うように移動できない日もありましたが、慌てずゆっくりとコーヒーでも淹れて、いつもよりゆったりとした時間を過ごしたり、雪かきで冷えた身体を温めたりと、ソラチコーヒー流のスローな過ごし方を楽しみました。
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さて、今回は最近よく耳にする「サスティナブル」な視点で空知のコーヒーについて考えてみたいと思います。

改めて「サスティナブル」とは

サスティナブルとは、「持続可能な」という意味で、 主に自然にある資源を長い期間維持し、環境に負荷をかけないようにしながら利用していくことを指します。 英語のsustainableは「持続できる」「支持できる」「耐えられる」といった意味を持ちます。「サスティナブルな社会」というと、地球の環境を壊さず、資源も使いすぎず、未来の世代も美しい地球で平和に豊かに、ずっと生活をし続けていける社会といった意味になります。
2015年に国連で採択されたSDGsの「S」もサスティナブルの頭文字で、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略です。「気候変動を軽減するための対策」や「持続可能な消費と生産」など、SDGsの達成には地球全体でのアクションのほか、一人ひとりの小さな心がけも大切です。

そんな中、コーヒーの世界では、SDGsより少し前からサスティナブルな動きがありました。石油に次いで世界で2番目に取引金額の多い一次産品と言われているコーヒーを、安全でおいしく、いつまでも楽しんでもらえるよう、サスティナブルなコーヒーの普及啓発に取り組んでいる団体もあります。
 日本サステイナブルコーヒー協会のホームページはこちらから
同協会監修の本「コーヒーで読み解くSDGs」は、身近な飲み物であるコーヒーを切り口としてSDGsを分かりやすく解説しています。遠く離れたコーヒーの産地の様子から、目の前のコーヒーカップに注がれたコーヒーまでの「ストーリー」を知ることで、自分の選択や行動に活かす。そんな示唆に富んだ1冊です。
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筆者はここまでグローバルな視点でコーヒーについて語ることはできませんが、ソラチコーヒーという日常の中でできるサスティナブルな行動をしてみました。

コーヒーかすの有効活用 ~消臭剤として

ドリップコーヒーでもエスプレッソでも、豆を挽いて粉にしたコーヒーを淹れると必ず「コーヒーかす」が発生します。いつも何気なく捨ててしまっているのですが、コーヒーかすは多孔質の構造なので、活性炭と同様、いや一説には活性炭の5倍の脱臭効果があるとも言われていて、乾燥させると消臭剤として使えるんです。
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とはいえ、ドリップしたフィルターのままでは、かすがこぼれそうだし、見た目も美しくないし…そこで、陶器のこんなポットが市販されています。
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サイズや形状は、ペーパーフィルターにぴったりなので、コーヒーのドリップが終わったら、フィルターごとポットにそのまま本体にセットするだけです。
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上面にかぶせるシリコン製のフタも付いていますので、中身もこぼれにくく、手軽に使うことができます。そして何か造形としても美しさを感じませんか?中にコーヒーかすが入っているなんて遠目にはわからない。どんなコーヒーかすでも効果はさほど変わらないかもしれませんが、ソラチコーヒー流には、安田侃彫刻美術館・アルテピアッツァ美唄の中にあるカフェアルテのオリジナルブレンドのコーヒーかすを入れてみました。(おお、なんだか「かす」が輝きを放ってきた気が…)
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ちなみにこのブレンド・ソフトミックスは、豆の表面がギラギラとカラメル化した深煎り好きにはたまらない見た目ですが、淹れてみると苦みはマイルドでスッキリ飲めます。カフェアルテでは、美唄の石窯ベーカリー・カフェストウブ特製のコーヒー入りビスコッティとのマリアージュがオススメです。
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サスティナブルな話の一つ目は、コーヒーかすの消臭剤としての再利用でした。普段はごみとして捨ててしまうものですが、十分乾燥させて使えば、約1か月以上は消臭効果が持続するそうです。筆者の自宅では、このポットを下駄箱において活用していますが、コーヒーかすはほぼ毎日発生するので、家じゅういろんな場所でも活用したいと思います。

コーヒー豆を余すところなく ~まるごと食べちゃうコーヒークッキー!

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続いてはこのクッキー。
岩見沢市の本店に次いで、今年の1月には砂川店もオープンして、空知全域にエスプレッソコーヒーのファンを広げているESPRESSO STAND PLATS(エスプレッソスタンド プラッツ)の新作「コーヒーのクッキー」です。
イタリアンブレンドで淹れたエスプレッソを生地に練り込んで、さらに真ん中にコーヒー豆もトッピング!ほのかに薫るコーヒーの風味に、豆をかじると、更にコーヒーの美味しさと香りやほろ苦さが味わえます。コーヒー豆を丸ごと使って、ごみを出さないサスティナブルなクッキーですね。
ESPRESSO STAND PLATSの紹介記事は【ソラチコーヒー 6杯目】をご覧ください。
改めて、全日本コーヒー協会のホームページを参考に、コーヒー豆の成分と特徴をまとめてみると…
①カフェインによる眠気防止などの覚醒効果
②ポリフェノールの一種・クロロゲン酸によるアンチエイジング効果
③豆由来のたんぱく質による筋肉や臓器の活性化
④食物繊維による腸の活性化
などで、③と④は抽出液であるコーヒーでは摂取できない成分です。
ただ、これはコーヒーも同様ですが、あまり食べ過ぎるとカフェインの過剰摂取となったり、また農薬を使用して作られたコーヒー豆の場合、体への危険性も考えられますので、コーヒー豆の状態で食べる場合も、ほどよい量をおすすめします。
ESPRESSO STAND PLATSでは新作も続々登場しているので、コーヒーに合うお気に入りの焼き菓子を探してみてはいかがでしょうか。ワインだけじゃなくコーヒーと「そらちスイーツ」とのマリアージュ、広げていきたいですね!


 

全天候型防水コーヒーブーツ??? PANTO

なんか意味不明なところに「コーヒー」が入り込んでいる見出しですが、これで正解です。昨年春、コーヒー…厳密にはコーヒーかすを使った靴がクラウドファンディングにより販売されると聞いて、空知でコーヒーを語る筆者も、これは参加するしかないと即決で支援を決めました。支援者募集広告の謳い文句には、「世界初、一足あたり15杯分のコーヒーかすを再利用」とありました。
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そして、色のネーミングもコーヒーらしく、こげ茶(ブレンドコーヒー)、茶(カフェモカ)、黒(アメリカーノ)、アイボリー(バニララテ)と遊びごごろ満載でしたが、筆者は一番コーヒーらしい「カフェモカ」を選びました。そして、ローカットとハイカットがありましたが、スノーシーズンの使用を想定してハイカット(トール)にしました。
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この靴も、コーヒーかすの優れた消臭力や除菌効果に着目して防水・防滑などの機能面も充実させた上で、軽量かつ、洗濯機で100回丸洗い可能なレインブーツとして開発したそうです。
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コーヒー業者から回収されたコーヒーかすをアッパーからソール、インナーまで丸ごとシューズに再利用しているため、環境負荷の指標であるカーボンフットプリント(排出CO2量)は50%以上削減と、なかなかの優れものに期待は高まります。

そして待つこと4カ月…ついに来ました。
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よく見ると箱にもコーヒーの実の絵が♪
そして、記念すべきこの靴を“空知らしく”おろすのにはどうしたらいいか?夜や雨の日はダメよとか、吉日の午前中がいいよとか、日本にはいろんなジンクスがありますよね。
未来に向けたサスティナブルな新たなものづくりの技術…そしてアウトドア仕様でもあるので、なんちゃってトレッキング!?をしてみたくなり、手軽に行けるここを登ってみました。
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そう!石炭の産地だった赤平市のシンボル777段のズリ山です。
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ものづくりのパワーを足裏に感じながら…履き心地、グリップ、軽さを確かめるように777段…の途中まで(汗)(←オトナの事情?!)。普通に履いている分には、これがコーヒーかすで出来ていることは全く分かりませんが、これを履いて飲むコーヒーは、またひと味違うような気もするし、サスティナブルなものづくりでもあるし、この冬はこの靴で空知のいろんな場所を訪れました。
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「雪町コーヒー」も実はサスティナブル!

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さて、最後に紹介するのは、これまで本稿で何度か紹介したこともある沼田町の雪町コーヒー。SDGsで環境を守る機運が高まる20年以上も前から、沼田町で取り組んできた雪の利活用の産物の一つです。高品質のアラビカ生豆を雪の倉庫(雪室)に貯蔵すること1,500時間。安定した低温でじっくり熟成することによって、雑味が取り除かれ、より角が取れた甘く飲みやすいコーヒーになると言われています。筆者もおうちや職場でも愛飲していますが、酸味も苦みもマイルドでとても飲みやすい、ほっこりするコーヒーです。
雪室という先人の知恵は、温度0℃・湿度90%以上の一定した環境により、米や野菜はでんぷん糖化で甘く、肉はドリップ(解凍時に出る水分)の少ない良質な成熟肉に、そしてコーヒーや酒などは熟成時に発生する不快臭(アルデヒド類)が雪の力で抑えられ、まろやかに変化することが研究でも立証されています。
詳細はこちらをどうぞ(新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科神山研究室ホームページ)
https://www.unii.ac.jp/kammy/snow/
やっかいものとされる雪を、農産物の貯蔵から環境にやさしい新エネルギーへと、沼田町は「利雪」の先端を行く町として注目されています。
さて、そんな雪町コーヒーとの相性抜群なのは…
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沼田町産のサツマイモ「紅はるか」を、雪を使った乾燥技術・雪干し製法により熟成させた「雪干しほしいも」です。雪に育まれた甘さのマリアージュは、サスティナブルなソラチコーヒーの極みといっていいのではないでしょうか。
この沼田のほしいもについては、空知女子が食べ比べの記事をアップしていますので、こちらも併せてご覧ください!
 沼田町のさつまいもを使った懐かしのおやつを3種食べ比べします
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サスティナブルな視点で、ちょっぴり未来のことも考えながらコーヒーを楽しむ―それもソラチコーヒー
おいしいコーヒーをこの先ずっとおいしく飲み続けるために、今日の1杯を、空知から世界を見つめるサスティナブルな1杯にしてみませんか?

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