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サイクリングで美唄を堪能しよう~職員のAT体験記⑤~

ついに11月突入!!今年も残すところ2か月弱となりましたね。

さて、今回は、職員によるアドベンチャートラベル(AT)体験記の5回目、なんと最終回です!
アクティビティを通じて自然を体験し、その地域の歴史や文化を楽しみながら学ぶ旅行形態の1つであるATを空知管内で職員が体験してきたので、その魅力をお伝えします。

「そもそもATって何?」という方は、こちらをご覧ください。

それでは、美唄コース体験記のはじまりです!

美唄市のアクティビティといえば?

北海道の美唄市は南空知に位置しています。
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最初に来たのは、美唄温泉ピパの湯ゆ~りん館
ゆっくり温泉でリラックス、、、、も良いですが、
こちらの施設でレンタサイクルを行っているのをご存じですか?

美唄市は自然豊かで田園が多く、山に囲まれた美しい風景が見られるため、サイクリングに絶好の場所なのです!

ゆ~りん館では4月中旬から11月下旬まで、クロスバイクやファットバイクを借りることができます。
今回は市内を走ることから、軽量で初心者でも乗りやすいクロスバイクをレンタル。
ヘルメットもしっかり被って、いざ、出発です!
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ゆ~りん館を出発して、いきなりの下り坂。
どんどん上がるスピードに不安になりながらも、風を切って走るジェットコースターのような体感に気分もどんどん上がります。
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初めは慣れないクロスバイクの前傾姿勢に悪戦苦闘しながらも、徐々に周りの景色を楽しむ余裕が出てきました。

美唄市は道も広く、田園周りは車通りも少ないため、ときどき停車して写真を撮ったり、ゆっくり景色を眺めたり。
気持ちのいい風が吹く中、青空の下、どんどん移動していきます。
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さて、いよいよ始まった美唄サイクリングツアー。
ここからが本番ですよ?

「アルテピアッツァ美唄」で自分の心と向き合う

突然ですが皆さん、この形に見覚えはありませんか??
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そう、札幌駅にも佇む大きな彫刻。
札幌の待ち合わせ場所ランキング第1位!(筆者調べ)


彫刻家・安田 侃(やすだ かん)さんの「妙夢(みょうむ)」という作品です。
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↑札幌駅にあるものはこちら

今回は、そんな安田 侃さんの作品がたくさん展示されている美術館「アルテピアッツァ美唄」に行ってきました!
当日は、アルテピアッツァ美唄の影山 宏明(かげやま ひろあき)さんにガイドをしていただきました。

さて、アルテピアッツァ美唄とは?
廃校となった小学校跡地を活用し、美唄市出身の世界的彫刻家・安田 侃さんの作品を数多く展示している美術館です。
1992年のオープン以降、現在も安田 侃さん監修の元、作品の移動・展示が行われています。
できた後にも手が加え続けられている美術館は全国でも稀なんだそう。
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ガイドツアーも実施されていますので、じっくりお話を聞きながら回ることもできます。

※ガイドツアーの詳細については、こちらをご覧ください(定時ツアーについては冬期間お休みです)。
ガイドツアー | 安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄 (artepiazza.jp)
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安田 侃さんの作品といえば、この大きな大理石。
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かの有名な彫刻家ミケランジェロの作品にも使われている、イタリアのまち・カッラーラ産の大理石を使用しており、現地のアトリエで制作した作品を世界各国で展示しています。
美術品と言えば、じっくり眺めるものというイメージがありますが、これらの作品は、触っても良いというところが特徴で、見て・触れて作品を感じられます。
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表面が磨かれ、つるつるに仕上げられているものや、凹凸したものなど、思わず触りたい!!となってしまう作品ばかり。
(つるつるの作品は本当に触り心地が最高でずっと触っていたくなりますよ。)
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こちらでは夏場に水が流れ、子どもたちが水遊びをしていることも。

すべての作品に名前がついているそうですが、敷地内を見渡しても、どの作品にも名前は記載されていません。
彫刻は見る人にとっての鏡であり、作品が何を意味しているかは、見て、触って、鑑賞する人自身に考えてもらいたいという安田 侃さんの思いにより、作品名が記載されていないんだとか。

広大な敷地に作品が展示されていて、元々の地形をそのまま活用するだけではなく、丘の形成など、ひとつひとつの作品が風景と調和するよう配置されています。 

この丘を登り切ると・・・?
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ここからはぜひ現地に足を運んでみてください。

他にも、アルテピアッツァ美唄では「こころを彫る授業」という彫刻体験(要予約)も実施しています!
運が良ければ安田 侃さんご本人の授業を受けられることもあるそうですよ。
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「アルテピアッツァ美唄」で見て、触って、あなたの心と向き合ってみませんか?

美唄やきとりでエネルギー補給

アルテピアッツァ美唄から自転車で約15分。
市内にある「美唄やきとりたつみ」でお昼ご飯。
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自転車を走らせた体に塩味のモツ串が染みる!
美唄の歴史を支えた炭鉱マンたちを支えた美唄やきとり、過去にも紹介していますので、詳しくはこちらをご覧ください。

このおいしさは不滅!?美唄やきとり たつみ(実店舗編)
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美唄市郷土資料館で美唄の歴史を追体験

エネルギー補給をしたところで、今度は少し頭を動かしましょう。

美唄市の歴史を詳しく知りたい方は必見!
美唄市郷土史料館にやってきました。
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展示室の入り口には、利用者を出迎えてくれるかのように美唄で生息している動物たちの剥製や昆虫の標本がずらり。壮観です。

常設展示室を観覧するには入館料300円(高校生以上)がかかりますが、今回はすぐ隣にある空知神社の秋期例大祭期間だったため、無料解放されていました。
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空知地域は炭鉱によって急速に発展した地域ですが、美唄市もその例に漏れません。
美唄の歴史は炭鉱の歴史と密接に関わっているのです。

資料によると、もともと美唄市には石狩層群という地層があり、この地層にたくさんの石炭層が含まれていたとのこと。
なるほど、それで石炭がたくさん採れたんですね。

…では石炭はどうやって採掘していたのでしょう?
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明治時代初期、採掘作業のほとんどを人力で行っていたそうです。
採掘に使用されるつるはしは摩耗が激しく、頻繁に交換が必要になったといいます。

今考えると信じられないくらいの重労働ですね。

しかも炭鉱は事故が多く、三菱美唄通洞抗(つうどうこう)で起こったガス爆発では177人が死亡・29人が負傷してしまったそう。
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こちらは1950年(昭和25年)に描かれた、美唄市指定文化財の人民裁判事件記録画です。

1946年(昭和21年)2月に行われた団体交渉の様子が詳細に描かれています。
劣悪な環境を変えようと炭鉱労働者が労働組合を結成し、奮起して闘ったのです。

賃上げなど労働条件の向上を求める三菱美唄炭鉱労働組合員たちが、鉱業所の幹部職員を合計36時間にわたって拘束し、実施した大衆面前での団体交渉。
食い入るように交渉の行方を見守り祈っている労働者の家族や、交渉する職員のぐっと握りしめた拳、下を向く幹部職員たちのどんよりとした雰囲気。
絵画からひしひしと伝わるこの緊迫感は、見る者を圧倒する力が秘められています。

視覚的な資料はこの絵画が唯一のもので、
美唄市郷土史料館でしか見ることはできません。

この他にも、美唄の歴史を時系列順に辿るように多くの資料が展示されていて、すごく引き込まれますので、是非訪れてみてください。
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ちなみに美唄市郷土史料館では、1年を通じて特別展や映画上映会、コンサートなど、様々なイベントを開催しているそうですので、訪れる際はぜひHPをチェックしてみてくださいね。

美唄市郷土史料館 - 美唄市ホームページ (city.bibai.hokkaido.jp)

空知神社秋季例大祭 お祭りだって日本の立派な伝統文化です!

続けて、すぐ隣の「空知神社」に立ち寄ってみました。

祭神は
・天照大御神(あまてらすおおみかみ)
・大己貴神(おおなむちのかみ)
・少彦名神(すくなひこなのかみ)
の3柱。
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屯田砲兵隊が配置され、1891年(明治24年)に屯田騎兵隊、工兵の特科隊移住による開村と同時に神社が創祀され、今年(2024年)の10月には130周年を迎えました。

130年も前からこの土地を見守ってくれている。それってとってもすごいことですよね。

紫陽花、風鈴などの、まだ夏を少しだけ感じさせてくれる風景に心が落ち着きます。
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お参りもしていきましょう。

私の願い事は・・・秘密です。
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正面の方へ向かうと屋台が並んでいました。

お祭り。日本全国、毎年夏から秋にかけて見かけるこのイベントも立派な日本の伝統文化と言ってもよいのではないでしょうか。
両親や友人と一緒に行った思い出がある人も多いでしょう。
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わたあめ、りんごあめ、やきそば、型抜き、金魚すくい、スマートボール...。
大人になった今でもお祭りを目の前にすれば心が躍るものです。

せっかくなので我々も楽しませてもらいましょう!
早速「射的」に挑戦!屋台の方にアドバイスをもらいながら狙いをすませて...。
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ひとつも倒すことができませんでした。笑顔で参加賞をもらって撤退です。
童心に帰って全力で楽しませてもらいました。

次、射的に出会ったらひとつは倒してみせる!
私の人生にまたひとつ目標が増えました。

お土産に迷ったなら「美唄長栄堂」

そろそろ美唄市探検も終わりの時間。
その前にお土産を買っていきませんか?

「美唄長栄堂」に寄っていきましょう。
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1913年(大正2年)に開店し、一世紀以上美唄と共に歩んでいるお菓子屋さん。

このお店の名物はなんと言っても「くるみ餅」!
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もっちりした食感の中、くるみがいいアクセントに。
砂糖醤油ベースの味付けで、甘すぎず、しょっぱすぎずとても食べやすいです!

過去には天皇皇后両陛下にも献上されたこともあるんだとか。
文句なしの美唄の銘菓ですので、お土産に迷ったら「くるみ餅」を買ってみてください!

夕焼け小焼けで、さあ帰ろう

市内をぐるぐる巡っていると、気づけばもう夕方。
楽しい時間はすぐに過ぎ、終わりが来るもの。

美しい田園風景に手を振って自転車を返しに行きましょう。
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最後の最後、厳しい上り坂で体力が続かず押して歩くことに。

行きの気持ち良い坂道が最後に牙を剥くとは思いもしていませんでした。涙
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4人とも無事、怪我もなくゆ~りん館に自転車を返却し、美唄コース終了です!

普段はあまり自転車に乗らないため、体力的について行けるか不安でしたが、初心者にも優しいルートでサイクリングを楽しむことができました。

美唄市HPでは、初心者から上級者まで楽しめるサイクリングマップが掲載されています。
美唄を観光するときは、ぜひサイクリングしてはいかがでしょうか。

追伸
皆さんが行く際は、最後に体力を残しておくように気を付けてくださいね。汗


楽しい景色を満喫しながら、美唄の歴史や文化を堪能できるサイクリング、いかがでしたか?
アルテピアッツァ美唄ではガイドさんによる解説を聞くことができて、ただ見るだけでは分からない町の歴史や美術館の背景などを知ることができました。
また、美唄市内には今回巡った施設のほかにも、マガンで有名な宮島沼炭鉱メモリアル森林公園(旧三菱美唄炭鉱施設)をはじめ、冬には美唄スノーランドもオープンしますので、ぜひいらしてみてください♪

楽しいアクティビティに加え、その地域ならではの歴史・文化に触れると、よりその地域を深く知ることができます。それこそがATの醍醐味
「そらちAT探検隊」の記事はこれにて終了となりますが、このブログを見て少しでも「空知に行きたい!」「ATを楽しんでみたい!」と思ってもらえたら幸いです。

【過去のそらちAT探検隊の記事】
① 雨竜沼湿原(の手前まで)を歩いてみた(雨竜コース)
② 三笠の歴史をたっぷり堪能「ジオツアー」(三笠コース)
③ 滝川で鳥になる!?(滝川コース)
④ メロンだけじゃない!夕張の魅力(夕張コース)

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