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【 てつこの部屋 】 ~ VOL16 炭の都~

バリバリ 夕張

なんのCMか定かではないが
なぜか口ずさめてしまう。

そんな経験、皆さんはありませんか?

私のなかでは

バーリバリ、夕張♪”

これがそれでした。


当時幼稚園児くらいのわたしには
“バリバリ”も“ユウバリ”も
なんのことかピンときていなかった。


前回の大倉さんとの接触を機に、私の脳内で
“それ”が延々と再生されるとともに、
夕張への訪問欲はピークに達していた。


もはや恒例となっているが、
夕張分の炭鉄港カードももれなく、
既に配布終了となっている。

しかし、だからと言って
行かない訳にはいかない!!


まずは、
夕張の石炭大露頭
「夕張24尺層へ!!

 

 5,000万年の厚み

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このカードも石炭大露頭も、
夕張市立石炭博物館にあるが、
既に冬季休館中。


大倉さんから秘密のコネクションで、
私は特別に大露頭を
見学できるようにしてもらった。


 
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「てつこさん!お待ちしてました~!」
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天使の笑顔で迎えてくれたのは、
夕張市石炭博物館の長澤さん。

「早速ですが見に行きましょう!」


 
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長澤「雪があって見づらいですが…
あれが夕張の石炭大露頭
『夕張24尺層』です。」

てつこ「…。」

※春頃の24尺層の写真
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長澤「そもそも石炭とは、大昔に倒れた
植物が積み重なり、長い年月の間
圧力を受けて層となったものです。


ここで露頭しているのは、
約5,000万年前の石炭層
なんです。


下から十尺層・八尺層・六尺層、
合計二十四尺層(7.5m)の厚さを持つ
良質な瀝青炭層(れきせいたんそう)という地層です。


この地層は、1889年(明治22年)に
幌内(三笠)から調査に入った道庁技師の
太郎(ばんいちたろう)に発見されました。」



てつこ「坂さんの発見のおかげで
夕張での採炭が始まったのか…


つまり、この地層は
(たんと)夕張の歴史の始まり
ということですね。


坂さんありがとう。」




長澤「さすがてつこさん♪

現在見学できませんが、当館には
当時の坑道を再現した模擬坑道もあるので、
復活したらぜひ見に来てくださいね!

次はあの人にも会ってほしいし☆」


てつこ((…あの人???))

 

 北炭の動力源

長澤さんとお別れし、向かったのは
夕張で2箇所目のカードの舞台、
旧北炭ノ上水力発電所

 
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******

北炭(ほくたん)が所有する炭鉱の動力源として
建設され、1925年(大正14年)に稼働開始。
発電所の面積は182㎡。


発電された電気は、
100km離れた
空知炭鉱(歌志内)

まで送られた。


レンガ壁と白色で縁取るアーチ窓の外観が
印象的で、正面の窓上には
北炭の社章である「☆」が。
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公開は外観のみ。
内部では中央に発電機が据えられ、
床から屋根裏までの一体空間。


小屋は鉄骨トラスで組まれており、
レンガ造の建物とは思えないほど
広く明るい空間となっている。


1994年(平成6年)に北炭から
北海道企業局へ譲渡されている。


*****


以上、私の予習内容である。


見られない内部については、
旧頼城小学校の木骨トラス構造を
思い浮かべながら想像で補填。

Vol13 石炭の倉 を参照してください。

美しいデザインの外観からは、
まるでそこだけ大正時代から
時間が止まっているような、
荘厳な印象を受けた。


 

 底の見えない濃厚さ

気づくとお昼ご飯を食べそびれていたため、
遅めのランチとして吉野家(よしのや)さんへ。

夕張で吉野家というと、牛丼ではなく
カレーそば
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どんぶりなみなみに注がれた
とろっと濃厚なカレーつゆ。
麺をすくうにもこぼさないよう慎重になる。
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ずるずるとこのカレーそばをすすり、
今日の疲れをとばして明日のパワーを蓄える。

バリバリ働いていた炭鉱マンが
目に浮かぶ。



日本遺産「炭鉄港」
構成文化財があるのは12の市と町


春から周りはじめ、
ついに私てつこは全ての地域を回った。


でも、まだまだ炭鉄港のことを
知るには全然足りてない…


まるで黒々とした
カレーそばのつゆのように、
炭鉄港には、底の知れない
奥深さがあるんだなあ……


……


うん、原点回帰しよう。
次は私が炭鉄港に出会ったまち、
三笠へもう一度行ってみよう。


一度行った三笠だが、
12の地域を自分の足でめぐった
今の私になら見えることもあるだろう。



(ついでに、久々に
ばあちゃんちにも行くか~)


そう考えながら
私はiPhoneのカレンダーを開き、
次の休みの日に
「三笠」と入力したのだった。


 
To be continued......

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