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活かす炭鉄港まちづくり講座~後編(夕張市)

知名度上昇中の日本遺産 炭鉄港(たんてつこう)。

今まで様々なツアーやまち歩きイベントが開催されてきましたが、今回は朝から夜までじっくり炭鉄港に浸かる新企画「活かす炭鉄港まちづくり講座」に参加してきました!

前・中編に続き、今回は夕張市をご紹介します。

※前・中編はこちら↓
 活かす炭鉄港まちづくり講座~前編(美唄市・歌志内市)
 活かす炭鉄港まちづくり講座~中編(歌志内市・芦別市)

炭鉄港って?(おさらい)  


炭鉄港とは、空知の「石」・室蘭の「鋼」・小樽の「湾」とそれらをつなぐ道を舞台に繰り広げられた、北の産業革命のストーリーのことで、令和元年に日本遺産に認定されました。

約100km圏内に位置し、近代北海道を築く基となったこの三都を原動力として、北海道は大きく発展しました。
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最終地点、夕張へ到達 


芦別の案内人であるNPO法人炭鉱の記憶推進事業団 大橋二朗副理事長に別れを告げ、昼食をかきこみながら南へとバスを走らせた一行は、ついに夕張へと辿り着きます。

休憩がてらバスを降り、雪の壁を越え
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走行する車に注意しながら、安全に横断

どんどん進みます。
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奥の方に、塞がれた入口のようなものが見えてきました。
これは三菱大夕張炭鉱の坑口ですが、冬は雪に埋もれ、夏は手前に背の高い草が生い茂るため、車で走っていると気が付きにくく、遺構の穴場スポットだといえるでしょう。

再びバスが発車すると、シューパロダムに沈んだ鹿島(かしま)地区を車窓左手から眺めながら、夕張の明石町(ダムの底に沈んだまちの一つ)出身 Oさんの解説に耳を傾けます。

当時の鹿島の風景を懐かしみながら語るOさんは、23~30歳頃、炭鉱に空気を送るダクトに携わる仕事に就いており、27歳の時に三菱南大夕張炭鉱ガス爆発事故が起こったといいます。

ダムに沈んだまちと聞くと、現在の湖の場所だけにまちがあったとイメージしてしまいそうですが、沈んでいない山側にもまちがあったそうです。

また、鹿島と南部(なんぶ)地区を繋ぐ長いトンネル(シューパロトンネル)より低い場所にも別のトンネルがあり、さらにその下に南大夕張鉄道が走っていたと話します。

いよいよ石炭博物館へ

シューパロトンネルを抜けたバスは北上し、やがて夕張市石炭博物館に到着。駆け足気味で館内をまわります。
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博物館の入口ロビー

石川成昭館長の解説によると、2025年の旧北炭夕張炭鉱模擬坑道の見学再開に伴い、地下展示室に並ぶマネキンたちの服を新調することになったのですが、元々着せている服に似た新しい服を探すことがとても大変だったといいます。
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残念ながら、博物館の名物であるドラムカッター(採炭機械)は長い年月使用したことにより限界がきているため、今後の実演運転は特別な見学の時のみになるそうです。

仕方のないこととはいえ、大きな音を立てて動く姿は迫力があり珍しい展示なので、見学の機会が減ることに寂しさを感じます。
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講座のラストは…   

博物館見学を終えて館内会議室の席に着くと、本日の最終イベントであるグループディスカッションが待っていました。

本講座の座長である札幌学院大学名誉教授 太田清澄先生からディスカッションのテーマとして提示されたのは、「まちづくりは、関係人口という『風』、シビックプライドという『土』、稼ぐ力という『火』がキーワードであり、『風』の人を炭鉄港地域に持ってくる(呼び込む)にはどうしたらよいか」という課題方策です。

※シビックプライド(Civic Pride)…自分が住んでいる地域への誇りや愛着。
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テーマが定まったところで、4班に分かれてKJ法を用いたグループワークを実施。

各班から、「石炭を使った体験学習の開催」、「炭鉄港の映画やアニメの制作」、「VRゴーグルを使い、現地でVR映像の中を歩く」、「途中で口が寂しくならないように、各地点でお菓子をもらえるツアーの実施」など、多様なアイディアが提案されました。

※KJ法・・・アイデアを付箋に書き、1枚の紙・ホワイトボードに貼り付け、情報をグループ化する手法。新たな関係性や本質的な課題を発見することができる。
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講座を終えて 


グループディスカッションを終えたところで、講座のプログラムも終了を迎えます。朝から始まった勉強会もあっという間…とは決して思えないほどの莫大な情報量を浴びた、とても充実した一日となりました!

参加者のみなさん、そして前・中・後編と読んでくださったあなたが、炭鉄港を通じて自らの住む地域のまちづくりを考え、そして大いにまちを盛り上げてくれることを願っています。


炭鉄港は他にもたくさんの記事がありますので、こちらもぜひご覧ください!

てつこの部屋~私が「炭鉄港女子」になるまでの物語~ Vol.1
てつおじさんぽ ~炭鉄港を巡るお散歩日記~ 第1歩
ゆっくり炭鉄港 第1回
#My炭鉄港 第1回
【俺の炭鉄港】~第1回「聖地巡礼」~
 

施設名:夕張市石炭博物館
住所:〒068-0401 夕張市高松7番地
開館時間:【4~9月】 10:00~17:00【10月~】 10:00~16:00
※最終入場は閉館の30分前
休館日:火曜日・冬期(11月上旬~4月下旬)
電話番号:0123-52-5500
HP(SNS):https://www.coal-yubari.jp/

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